1940年、フランク・ボゼージ監督。原題は、”The Mortal Storm"。

ジェームズ・スチュアートとマーガレット・サラヴァンが主演だが、このコンビは、同年のエルンスト・ルビッチの映画『街角 桃色の店』でも共演している。アメリカが第2次世界大戦に参戦する前の反ナチ映画であり、作品の内容からいって、ドイツでは当然公開禁止となった。それのみならず、MGM映画は、これ以降すべてドイツでは上映禁止になったのだから、相当ナチの怒りを買ったと思われる。この作品、ボゼージが監督でクレジットされているが、プロデューサーの一人であるヴィクター・サヴィルがかなりの部分を監督したという話もある。したがって、本当のところはわからないのだが、この映画で一番いいシーンである、ワインの入ったグラスをジェームズ・スチュワートの母親を演じているマリア・オースペンスカヤが、危険がさしせまって結婚式をあげられない主演の二人にお祝いとして渡すシーンは、いかにもボゼージ的な演出であると思う。

Trailer: The Mortal Storm (YouTube)