1941年、ラオール・ウォルシュ監督。原題は、”Manpower"。マレーネ・ディートリッヒ、エドワード・G・ロビンソン、ジョージ・ラフト、ワード・ボンド出演。

とうとうこの作品のDVDが出た。また、あのジョン・フォード監督の遺作『荒野の女たち』も、ついにDVDが出たし幸せである。左眼にアイパッチをした監督(ジョン・フォード)と、右眼にアイパッチをした二人の監督(ラオール・ウォルシュ、ニコラス・レイ)。フリッツ・ラングというと、左眼にモノンクルをした写真が有名だが、右眼にアイパッチをした晩年の写真もある。ラオール・ウォルシュは、『懐かしのアリゾナ』撮影中に車の風よけガラスに野兎が跳びこんできて失明したのである。グリフィス監督の助監督を務め、役者としても出演しており、『国民の創世』でのリンカーンの暗殺者役はあまりにも有名である。

ルイス・マイルストンの『雨』に負けず劣らず、すごい豪雨が降る作品をほぼ同じ時期に2本見たことになる。『虎鮫』ですでに触れたように、この作品の物語のオリジナルは『虎鮫』からきている。物語の骨組みはほとんど一緒だが、男たちの職業の設定は漁師から電気工へと移し替えられている。とにかく、ディートリッヒがいい。酒場で歌うシーンももちろんあるが、それよりすごいのは、新婚早々の若妻でエプロンをつけて朝食の準備をやっているのだが、その場面を咥え煙草でやっているところである!


Manpower (冒頭の一場面)