前の記事でとりあげたネィティブの子供が行う綴りの読み方の方略を推定しながら、Rの前に母音がくる場合の読みを記述してみる。
1)「母音文字 O + R」 のパターン (強勢がある場合)
母音文字 o が二重母音 /ou/ になることはない。米語の場合は、迷わず、bought の 「おー」に r の音を加えてわたり音化した発音をすればよい。bought の 「おー」は、米音の場合、舌根を緊張させ、下あごを縦に全開して発音すればよい。もちろん、母音の前にわたり子音 w がつく worry のような場合はこの限りではない(Wがつく場合は、3)の I, U, E + R + 子音の音と同じ)。W が母音の前につくことによる母音の変化は、以下の記述でも同じことであり今後いちいち断わらないことにする。
特徴的なのは、O+R の場合、O と R の間に 曖昧母音を入れて発音しないということである。つまり、母音の発音をしながら、r の音へ「わたり」をするのである。これは、語末の場合でも同じであり、for と fore の発音は変わらない。r の音は、前に説明したように、舌を呑み込む感じで。
born, cord, store, orange, oral, tutorial, for, fore, ford, fork, form, north, short, sport, storm, thorn, Doris, Gloria, chore, core, editorial, moral, orient, notorious, origin, cordial, corridor, corner, important, Oregon, horror, orchestra, orphan
2)「 母音文字(A, I, U, E) + RR」 のパターン (強勢がある場合)
O 以外の綴り字の母音に R が 2 つ続く場合、その前の母音文字は、そのまま本来の短母音の読み方として発音すればよいことがほとんどである。
Kerry, Marriott, carry, carrot, squirrel, cherry, error, merry, marry, herring, hurry
※ squirrel の u は /w/ であり、1音節
次に、母音文字が A, I, U, E で、R が一つの場合は、いくつかのケースに分けて整理する必要がある。
3) 「母音文字 (A, I, U, E) + R + 語末/子音」 のパターン (強勢がある場合)
この場合、母音文字は、曖昧母音となるか、/a/ の音で発音されるかのどちらかである。heart と heard のように、母音が二つ続く場合には、どちらで発音されるかは不定だが、母音が一つの場合は、I, U, E ならば、曖昧母音で、A ならば /a/ で発音される。この場合も、母音(曖昧母音 または /a/) と r の間に曖昧母音が入ることはなく、母音の音から r の音へわたる音として発音される。I, U, E の場合の曖昧母音の場合は /r/ が母音化した音に他ならない。
car, mar, par, bar, far, jar, fir, sir, stir, blur, fur, spur, her,
art, charge, dark, march, part, scarf, bird, birth, dirt, first, girl, shirt, third, skirt, burn, church, hurt, nurse, purse, turn, urge, surf, curve, burn, germ, nerve, term, serve, verb
apartment, argue, cargo, carburetor, market, darling, dirty, Irving, thirty, virgin, virtue, curtain, furniture, purchase, refurbish, urban, urgent, certain, eternal, permanent, person, sterling, permanent, universal
4)「母音文字 (A, I, U, E) + R + 母音」 のパターン (強勢がある場合)
このパターンが一番難しい。基本的に不定であり、二つのケースがある。
4-1) A が /e/ または /ae/ で発音され、I が /ai/ で発音され、U が /ju:/ で発音され、E が /i/で発音されるパターン
4-2) 母音文字が短母音としてそのまま発音されるパターン
4-1) は、語末に、無音の母音文字 E が現れる場合にはこうなる。たとえば
here, fare, cure, fire
この場合、注意しなければいけないのは、最初の母音 と r の母音に曖昧母音を入れるのが絶対だということである。これは、
fare, far
を比較してみれば、前者では曖昧母音が挿入されることでわかるであろう。つまり、このケースでは母音が直接 R で変調されることはなく、母音の後にいったん曖昧母音が入ってその曖昧母音がRで変調されるのである。この場合の例を以下にあげる。
compare, declare, snare, share, spare, rare, desire, dire, entire, hire, wire, tire, inspire, sure, assure, endure, insure, lure, mature, pure, adhere, interfere, mere, sincere, sphere
ところが、語末でない場合、4-1)と 4-2)のケースが二つ存在しており、不定である。まず、4-1) の場合をあげる。注意として、語末でない場合と違って、曖昧母音の挿入は「任意」か省略されるということである。
area, malaria, parent, Ontario, various, scenario, vegetarian, canary, environment, inquiry, iris, iron, pirate, siren, virus, spiral, curable, curious, during, furious, plural, era, bacteria, Presbyterian, hero, deteriorate, material, inherent, experience, interferon, mysterious, zero
1)「母音文字 O + R」 のパターン (強勢がある場合)
母音文字 o が二重母音 /ou/ になることはない。米語の場合は、迷わず、bought の 「おー」に r の音を加えてわたり音化した発音をすればよい。bought の 「おー」は、米音の場合、舌根を緊張させ、下あごを縦に全開して発音すればよい。もちろん、母音の前にわたり子音 w がつく worry のような場合はこの限りではない(Wがつく場合は、3)の I, U, E + R + 子音の音と同じ)。W が母音の前につくことによる母音の変化は、以下の記述でも同じことであり今後いちいち断わらないことにする。
特徴的なのは、O+R の場合、O と R の間に 曖昧母音を入れて発音しないということである。つまり、母音の発音をしながら、r の音へ「わたり」をするのである。これは、語末の場合でも同じであり、for と fore の発音は変わらない。r の音は、前に説明したように、舌を呑み込む感じで。
born, cord, store, orange, oral, tutorial, for, fore, ford, fork, form, north, short, sport, storm, thorn, Doris, Gloria, chore, core, editorial, moral, orient, notorious, origin, cordial, corridor, corner, important, Oregon, horror, orchestra, orphan
2)「 母音文字(A, I, U, E) + RR」 のパターン (強勢がある場合)
O 以外の綴り字の母音に R が 2 つ続く場合、その前の母音文字は、そのまま本来の短母音の読み方として発音すればよいことがほとんどである。
Kerry, Marriott, carry, carrot, squirrel, cherry, error, merry, marry, herring, hurry
※ squirrel の u は /w/ であり、1音節
次に、母音文字が A, I, U, E で、R が一つの場合は、いくつかのケースに分けて整理する必要がある。
3) 「母音文字 (A, I, U, E) + R + 語末/子音」 のパターン (強勢がある場合)
この場合、母音文字は、曖昧母音となるか、/a/ の音で発音されるかのどちらかである。heart と heard のように、母音が二つ続く場合には、どちらで発音されるかは不定だが、母音が一つの場合は、I, U, E ならば、曖昧母音で、A ならば /a/ で発音される。この場合も、母音(曖昧母音 または /a/) と r の間に曖昧母音が入ることはなく、母音の音から r の音へわたる音として発音される。I, U, E の場合の曖昧母音の場合は /r/ が母音化した音に他ならない。
car, mar, par, bar, far, jar, fir, sir, stir, blur, fur, spur, her,
art, charge, dark, march, part, scarf, bird, birth, dirt, first, girl, shirt, third, skirt, burn, church, hurt, nurse, purse, turn, urge, surf, curve, burn, germ, nerve, term, serve, verb
apartment, argue, cargo, carburetor, market, darling, dirty, Irving, thirty, virgin, virtue, curtain, furniture, purchase, refurbish, urban, urgent, certain, eternal, permanent, person, sterling, permanent, universal
4)「母音文字 (A, I, U, E) + R + 母音」 のパターン (強勢がある場合)
このパターンが一番難しい。基本的に不定であり、二つのケースがある。
4-1) A が /e/ または /ae/ で発音され、I が /ai/ で発音され、U が /ju:/ で発音され、E が /i/で発音されるパターン
4-2) 母音文字が短母音としてそのまま発音されるパターン
4-1) は、語末に、無音の母音文字 E が現れる場合にはこうなる。たとえば
here, fare, cure, fire
この場合、注意しなければいけないのは、最初の母音 と r の母音に曖昧母音を入れるのが絶対だということである。これは、
fare, far
を比較してみれば、前者では曖昧母音が挿入されることでわかるであろう。つまり、このケースでは母音が直接 R で変調されることはなく、母音の後にいったん曖昧母音が入ってその曖昧母音がRで変調されるのである。この場合の例を以下にあげる。
compare, declare, snare, share, spare, rare, desire, dire, entire, hire, wire, tire, inspire, sure, assure, endure, insure, lure, mature, pure, adhere, interfere, mere, sincere, sphere
ところが、語末でない場合、4-1)と 4-2)のケースが二つ存在しており、不定である。まず、4-1) の場合をあげる。注意として、語末でない場合と違って、曖昧母音の挿入は「任意」か省略されるということである。
area, malaria, parent, Ontario, various, scenario, vegetarian, canary, environment, inquiry, iris, iron, pirate, siren, virus, spiral, curable, curious, during, furious, plural, era, bacteria, Presbyterian, hero, deteriorate, material, inherent, experience, interferon, mysterious, zero
次は、4-2) の場合である。
comparison, clarinet, caravan, parasol, marital, marathon, miracle, spirit, Uranus, urinal, pyramid, America, heritage, verify, therapy, merit, generic, perish, cherish, experiment
4-1) と 4-2) の違いは接尾辞の影響, 後ろから3つ目にストレスがある場合の音節の母音連続を避けるなどが考えられるが、音節の区分をもう少し精密に行えないと駄目だろう
注) いままでの超重音節を許す音節区切り法だと母音で始まる軽音節が、いくつあるかに関係しているかもしれない。たとえば、experience は
experience → ek.sper.i.ence
と今までの区切り法ではなり、experimentは
experiment → ek.sper.i.ment
となる。experience の方は母音で始まる音節が連続している。これを避けるために子音の移動を行わず
ek.spe(r).ri.ence
となることで開音節化されるということ。
なお、もう一つのパターンとしては、接尾辞が頭に子音を要求することで、それと引っ張りあって渡り音化する場合がありそうである。