号泣の夜。
今の家に引っ越してきたときに
段ボールのまま押入れの奥にしまったままの箱を開けた。
いらないもの整理したいなと。
父のものと母のものが入っていた。
懐かしさと寂しさに押しつぶされそうになった。
でも、9割は後悔の気持ち。
懐かしい几帳面な父の字でつづられたノート。
母が亡くなったあと、気持ちを入れ替えようと
引越しをするまでの細かな記録。
母の箱には、筆まめだったから、
最後の入院中に書き綴った日記のようなもの。
出産後、気持ちに余裕がなく、
私のキツイ言葉や態度に
母が傷ついていたようすも綴ってあった。
そして、字がとてもきれいだった母なのに
最後のほうは、まったく読み取れないくらいの字に変わっていた。
最後の入院のときに着て行った服も、
私が風呂敷に包んだまま入っていた。
20年くらい前でも流行とは無縁の
地味な服。質素に生きた母らしい。
当時の家、原付バイクの鍵のついた
キーホルダー。
早めに亡くなった親のことは
あきらめがついたつもりだったけれど、
両親が確かにいたころのことを思い出してしまって
途方に暮れた。
取り返しのつかない後悔の気持ちで
ひとり嗚咽をあげた。
私、まだ泣けるんだ、と少しびっくりしながら。
片付けは中断。
心がもたない。
少しずつ謝りながらやっていくしかない。
たぶん、あの荷物に触れるたびに
これからも涙が出るんだろうな。
友だちに、ラインで気持ちを伝えた。
思い出してあげるのがいちばんよ、と。
家に仏壇なくてもいいから
白いごはん炊いて、お父さんとお母さんに
お供えしたら?と。
小さなお茶碗によそって
夫の写真のそばに供えた。