40、孟婆スープを飲んで、恩恵も恨みも忘れよう!——醧忘台の実地見学


仏様の力に感謝します!白い蓮の花に乗って出発します!


阿弥陀仏!阿玉は判官に礼をします!


判官にお尋ねします。地獄のすべての生きとし生けるものは生まれ変わる前に孟婆スープを飲まなければならないですか?


判官は言いました。孟婆スープは地獄にしかないです。天界や西方の極楽世界、または他の仏国浄土には孟婆スープは存在しません。地獄に堕ちるすべての者は生まれ変わる前に孟婆スープを飲まなければなりません。その目的は前世を忘れさせ、業力に従って新しい家族と共に生活することです。人間の先天的な性質は賢明であり、さまざまな明確な分析能力を備えています。もし人が孟婆スープを飲まずに過去のすべてを完全に忘れなければ、たとえ輪廻しても、業力によって胎内に入って忘れることがありますが、特別な状況や因縁で前世のことを思い出すこともあります。これにより、現世の友人、親族の身分が乱れ、社会が混乱することになります。例えば、二人の男女がいて、今生では友人同士です。男は今生の寿命が尽きる前に女を助け続け、今生ではこの男女は友人関係しかできず、結婚することはできないです。なぜなら男の運命にはすでに別の配偶者がいるからです。なぜ男は女を世話するのでしょうか?それは彼らが前世で夫婦だったからです。また今生に女がその男を世話したことがあります。しかし今生のこの二人は、越権行為や戒律違反をしてはいけません。もし孟婆スープを飲まなければ、さらに混乱が生じます。孟婆神が地獄で働く前は、地獄には孟婆スープはありませんでした。ここで、私は皆さんに、もっと念仏し、戒律を守り、心を制御して、清らかな心を保つことを勧めたいと思います。現在、邪淫を犯している既婚男女の一部は、婚後に過去の夫や妻に出会い、欲望に溺れて邪淫を犯してしまいます。みんなは必ず人倫における基本的な戒律を守らなければなりません。もし既婚男女が、婚後に再び心を動かされた異性に出会った場合は、すぐに念仏を精進し、放生を行い、仏様の力を借りて情欲を突破し、個人の生死簿にも善行が記されます。


昔の人は本質的に善良であり、最初に人間界に来た人類の祖先は色界の光音天の天人であり、彼らは神通力を使って地球に遊びに来ました。その頃の地球がとても自然豊かなところ、今のように環境汚染が蔓延していることがありませんでした。そして最も人の心性を壊したものは、さまざまなメディアの誤った情報や不良な情報からの悪影響です。

その時、地上にはいくつかの「地肥」が生えていて、非常に新鮮で果実の香りが漂う果物の形をしていました。これらの地肥は天界の果物にも似ていて、天人たちはその果物に惹かれました。その時、地球にはまだ人類はいませんでした。天人たちは五戒を守っており、窃盗罪を犯すことはありませんでした。地肥は誰のものでもなく、大地のものであるため、天人たちは地肥を食べました。彼らはそれを食べて非常に美味しいと感じ、皆でたくさん食べ続けました。


天人たちが地肥を満腹に食べた後、彼らは先天的な霊性の光が、地球の粗い物質を食べたために暗くなり、身体が重く感じ、自由に飛ぶ能力を完全に失ってしまいました。結局、光音天に戻ることができず、天人たちは地球で耕作し繁殖を始め、安定した生活を送り、人類の祖先となりました。


地肥は大地に属し、天人は大地が育んだ物質を食べることで大地と切り離せない縁を結ぶことになり、足は地面に付けて歩かなければならず、飛ぶことができなくなりました。天人は自由に飛ぶ神通力を失い、天界に戻ることはできませんが、他の神通力はまだ持っています。ただし、飛ぶ能力を失っています。


天人は皆、五戒十善戒を守るため、天界に昇りました。当時の地球に来た天人たちは、依然として戒律を守る心を持ち、因果の法則を信じ、善良で純粋でした。皆が和やかに生活し、平和な雰囲気が漂い、悪業や戒律を犯す行為はありませんでした。しかし、この状況は長くは続かず、地球での生活が長くなるにつれて、天人たちの子孫の霊性の光明は徐々に低下し、地球は汚染され、最初の良い生態環境と空気の新鮮さを失い始めました。それでもあの時の地球の人類は今よりもはるかに良かったです。人類が繁栄し続けるにつれて、先天的な霊性の光明は衰退し、人類の福報は徐々に低下し、皆が戒律を守らなくなり、だんだん自己中心的になり、小さな災害や病気が続いて現れ、地獄も徐々に悪業によって作り始めたのです。


昔の地獄は小さく、堕落する人も少なかったです。たとえあったとしても、刑罰は数年だけでした。地獄で数年間の罰を受けた後に人間界に生まれ変わる者は、彼らが改心して生活します。しかし、その後に堕落する人が増え続け、今では地獄は満杯になっています。現在、堕落した者に対する刑罰は通常百年以上で、数年の判決はもはや存在しないです。これは人の行動や思想が正しくなく、因果の教育が深刻に欠如していることが原因です。


判官は続けて言いました。「先ほど言った光音天の天人が地球に降りてきたのは、大地の地肥を食べたために神通力を失い、天界に戻れなくなったからです。仏様は『首楞厳経』で言いました。『人が百穀を食べると、足は土地から離れない』。したがって、私たちは常に自分の日常行動や意念に注意を払う必要があります。一瞬としても気が緩めたら、境遇に転じてしまいます。神通力がある光音天人は、初めて成り立った地球の美しさ(色)を見て、遊びに来た際に、地肥が果物のように新鮮で潤い、さまざまな自然の香りを放っているのに惹かれ(香)、それを食べ(味)、摂取(触)しました。天人はその時、食べたいという心の意念が動いたです。この意念が動くと、それは純粋の心性に対する妄想(法)の障害となり、この妄念はさまざまな行動を引き起こします。」


天人は窃盗罪を犯していませんが、大地との解けない縁は返済に時間が必要です。その返済期間中には様々な出来事が続き、正念を保てなければ、生命の質は低下し、様々な苦しむ地獄の悪業を生み出すことになります。


本来、光音天の天人は光の塊であり、神通力で飛び、自在に変化し、人間の重い肉体を持ってないです。これは過去の精進修行と清浄な戒律を守った結果として得られた天界の福報です。しかし、地肥を味わいたいという一念が生じたため、霊性の光明が低下し、妄想や執着が増えるにつれて、神通力も徐々に消えていきます。


その時の天人の子孫、すなわち最初の人類は、過去の恩怨や情愛生活を覚えているため、人間界の正常な生活に影響が出ています。しかし、孟婆スープを飲むと、業力に流され、前世のすべてを忘れ、再び心性を磨くことができます。



孟婆スープは人間生活の五つの味、酸(さん)・苦(く)・甘(かん)・辛(しん)・鹹(かん)が備えています。この五つの味は、転生後の運命も表しています。孟婆スープが見た目はどれも同じですが、実は中に入っている材料の量は違います。全ての材料は全く同じです。例えば、運命が良く、福報が大きく、尊貴に生まれ、財運があり、尊敬され、健康な人は、甘みが強い孟婆スープを飲むことになります。福報が少ない人は苦くて酸っぱいスープになります。普通の福報で生まれる人は五つの味が混ざり合った味わいで、飲むと喉の渇きを癒すような感じがします。業力が異なるため、一人一人が孟婆スープを飲むときの感じも違います。孟婆神も人間界から来ましたが、地獄に堕ちたのではなく、天帝によって冥界での職務を果たすために派遣されたのです。

孟婆神は人間界で仏教を学ぶ修行者であり、一生を通じて清らかさを保ち、清浄な梵行を修めています。彼女は世俗名を孟婆と呼ばれ、生まれつきに心が優しく、周囲の貧しい人々を助けることに熱心でした。孟婆は人間の苦しみ、愛欲や家庭の対立などを目にして、特に当時、多くの女性が非常に苦しい生活を強いられていました。古代の女性は「才能のない女性は美徳である」と言われ、女性の地位は子孫を残すことに限られており、子供を産み育て、夫を支え、子供を教育することに制限されていました。そのため、多くの女性が苦しみと無力感の中で孤独に過ごしています。これらのことを孟婆は心に留め、縁のある苦しむ女性たちを助けるために尽力します。そして、すべてのものが苦しみを忘れ、再び新たな生活を始めることができるように助けたいという願いをかけました。当時、孟婆に説得された人は非常に多く、彼女は至る所で人々に殺生を戒め、菜食を勧め、お経を唱え、仏を念じるように促しました。


孟婆はその時、将来に体に害を与えず、飲んだ人が全ての苦しみを忘れられるようなスープがあればと考えていました。それはどれほど素晴らしいことでしょう!彼女が寿命を全うしたとき、生前に苦しむ人を助けた功徳によって天界に昇り、神様になり、天界に自分の宮殿を持ち、様々な福報を享受しています。


天帝は人間界の衆生の心性が悪化し始めているのを見て、また転生した後、前世の人や物を思い出す人がいて、人間界の生活や倫理秩序を乱すことが時々起こります。ちょうど孟婆は生前に衆生を助けて苦しみを忘れさせたい善願を立てたため、その因縁から、孟婆の善願を満たすために、地獄に「醧忘台」を設けて、孟婆神を管理者に任命しました。醧忘台は、転生しようとする衆生に孟婆スープを提供するために特別に開発されており、そこには獄卒や夜叉などが孟婆の使いとして働いています。阿玉、特別な通路を案内して近くに行きますので、醧忘台の位置は冥府第十殿の後方にあります。



 「はい、お願いします」


この特別な通路は本当に特別で、地獄の苦痛の悲鳴が聞こえないです。防音設備は素晴らしいですね。今、部屋が見えました。台と椅子がありますが、どうして誰もいないでしょう?


判官は言いました。「ここは会議室です。今、皆は外で忙しいです。数日間も会議が開かれていないです。会議が開く時に、この近道を通ることはできません。これらのものは私たちが会議の時に使うものです。『陰律無情』を書くように委任される前に、私たちはここで会議を開いていました。私はここで地獄から発信された冥牒文書を受け取り、あなた、阿玉を地獄の見学案内をする役割となりました。そして、あなたに天機を洩らし、陽界に戻った際に、地獄での見聞を書いて、世の人々に善行を促すようにお願いしています。」


ああ!そういうことでしたね!前はまだ通路で、私たちはすぐに通り抜けました。


「醧忘台」という大きな文字を見ましたね。醧忘台の場所もとても広いです!まるで人間界の超大型茶亭のような感じがします。ここには三種類の異なる色の桶があります。判官は透明な桶には甘味が強いものが入っていて、福報が最も大きい者に飲ませるためのものだと言いました。白い桶には普通の福報の者に飲ませるためのもので、黒い桶には福報が最も少ない者に飲ませるためのものです。孟婆スープを配る三人の獄卒が着ている服の色もそれに合わせています。透明な桶を担当する獄卒は透明な服を着ていて、白い桶を担当する獄卒は白い服を着ていて、黒い桶を担当する獄卒は黒い服を着ています。


たくさんの獄卒が忙しく孟婆スープをカップに注いでいます。カップは円形で、底に足があってカップの本体を支えています。見た目も色も大きさも同じで、デザインも同じです。よく見てみると、実は少し違いがあります。すべてのカップは透明で、大きさは統一されていますが、違いはカップの足にある凹凸の模様です。透明なカップの足は滑らかで模様がなく、霊体がスープを飲むときに手触りが良いです。もう一つの透明なカップの足には少し凹凸の模様があり、手に持つと模様の形を感じます。最後の透明なカップの足には三角形の凹凸の模様があり、霊体がスープを飲むときに少し刺さる感じがして、あまり触り心地がよくないです。


醧忘台の中にはたくさんの小部屋があり、左右に分かれています。左側は福報が大きく、甘い味の孟婆スープを飲むために用意したものです。まず左側の各部屋を見てみましょう。中にはテーブルと椅子があり、テーブルの上には甘い味のスープが一杯置かれています。二人の女侍者が霊体に飲ませるために運んでいます。福報が良い人は部屋に座って飲むことができ、少し人間界のVIPルームのようで、特別な待遇を受けることができます。次に右側の各部屋を見てみましょう。中にもテーブルと椅子があり、テーブルの上には五つの味が揃ったスープが一杯置かれていますが、女侍者は一人だけです。福報が普通の人も部屋に座って飲むことができます。


前に進むと孟婆亭があり、孟婆神は孟婆亭にいます。


「孟婆神に合掌します!」


孟婆神は私に微笑み、判官は孟婆神が普段は孟婆亭にいると言いました。孟婆亭では多くのことが起こり、ここでは時々スープを飲まない霊体が出てきます。孟婆亭に来る者は福報があまり良くない、つまり業障が重い者たちです。ここでは獄卒がたくさんいて、彼らは尖った形のヤスを持っています。


私はたくさんの霊が孟婆亭に並んでいるのを見ました。彼らはとても疲れていて、極度に喉が渇いているようでした。中には全身に力がなくなっている者もいます。歩ける霊体は自分で歩き、順番が来たら自分で飲みに行きます。全身に力がない者は獄卒に支えられて孟婆亭に連れて行かれ、霊に飲ませてあげます。


その時、悲鳴が聞こえました。女の霊が飲むことを拒んでいて、二人の獄卒に殴られました。ああ、女の霊はとても惨めです!一人の獄卒がヤスで彼女の足を叩いて、彼女は倒れて血を流しました。もう一人の獄卒はその様子を見てすぐにヤスで女の霊を刺し、無理やり三杯飲ませました。判官は、この女の霊は人間界に生まれたら、足が痛くなり、喉にも問題が出ると言いました。孟婆スープを飲むことを拒んだ霊は、獄卒に殴られるだけでなく、その後はさらに二杯の苦い孟婆スープを飲まされる罰を受けます。後遺症として、さらに肉体的な苦痛を受けることになります。孟婆スープを飲んだ霊は、みんな朦朧としながら獄卒たちに支えられて転生に向かいました。


孟婆亭の前に大きな川があります。霊たちは川に落ちると、再び人間界に生まれ変わります。


判官は言いました。「今日はここまでにしましょう。阿玉、次回また来てください!」


阿玉は両手を合わせて判官に礼をしました!白い蓮の花に乗って帰りました!