私が受講している植島啓司先生の講座で、「この世でもっとも心に残る映画」のひとつに取り上げられた、ターセム監督「落下の王国」を見る。 物語の舞台になった数々の世界遺産の映像の素晴らしさなどについては他に詳しいサイトがあると思うので、主役の職業「スタントマン」にライトを当てましょう。

映画の原タイトル「ザ・フォール」は、さまざまな落下を表しているが(実際映画の中でも、たくさんのものや人が落っこちる) 「スタントマン」という職業自身の凋落も含んでいるのではないかと思う。 CGの発達は、スタントという行為を「不要なもの」に押しやりつつある。映像処理で何でもできる時代に、身を賭して「実際に落ちる」なんて、ばかげている・・・でも本当にそうだろうか?

「人が実際にやっていること」は、「今のところこれ以上はできない」臨界点も同時に教えてくれる。すれすれのところにいる人間の、どこかこっけいな感じのするすごさもまた。3DやCGに慣れ親しみすぎたら、人は生身の身体の不完全さや、できることの少なさ遅さを嫌悪し始める(あるいは見ないことにする)ような気がしてならないのです。