私の専門はバレエなので、やはり眼が神楽の踊り手の動きを追うことになる。
この古来から伝わる大神楽は、33年に一度催されてきたという。
複雑なステップでなくても、きちんと数人でそろえて踊られる「踊り」は
どうやって継承してこられたのだろう。 踊り手の技術といい、振付といい、
あまり間をあけずに練習しなくては身につかないし、覚えてもいられないような気が・・・。
佐々木先生からの答えは、印象的だった。
数年に一度の小神楽や発表会があって、間をつないでいること以外に、この動きは
日本人にとって、「遺伝子が覚えている」ような動きで、決してやりにくいものではない。自然にできてしまうような動きであり、覚えておくのも難しくないと。

バレエは、日本に古来からあった動きではない。
本格的に日本に根づいたのは戦後のこと。それまでのはるかな歴史と比べるとまだ
ほんのわずかな期間といっていいと思う。
私たちは意識的に繰り返し、練習して体内の「動きのつながり」を作り変える作業を
しているのかもしれない。
覚えにくく、忘れやすくてもなんの不思議もない。

でも子どもたちの体型は短期間で劇的に変化してきている。
たたみのある生活から離れて、ひざは小さく、重心は高く。
その身体の中でも先祖の遺伝子が「西洋の踊り」に違和感を覚えているのだろうか?