3月の肌寒い日の夕暮れ、友人と待ち合わせて「比婆神楽」のドキュメンタリー映像の上映会に出かけた。
作者は多摩美術大学准教授の佐々木成明さん。 地下鉄緑橋の駅から歩いて、古い印刷工場の前に出た。
地図では、会場はここのはず。ここだよね・・・なんだか刑事もののドラマで、犯人が隠れていそうな建物に見える。
入り口らしき引き戸をそっとあけると、いきなりはしごのような階段。もし会場が間違いで、上でこわい集会をやっていたらどうしよう。「先に入って。」友人が後ろからきっぱりと言う。友人は私より足が遅い(たぶん)。
どうやって助けるか考えながら、きしむ階段を上がると、いきなりほのかな明かりに照らされた、暖かな空間が広がった。何人かの知人が、笑顔で迎えてくれる。 
ここは、ハナムラチカヒロさんというクリエーターが主宰されている実験スペースで、映画や演劇などさまざまな表現を発信するサロンだそうだ。なんだかニューヨークを思い出した。ニューヨークも、観光地以外は、中を想像しにくい
グレーのビル群がたちならんでいる。でもひとつドアを開けると、一流のバレエ団が稽古していたり、ヨガの先生がお香をたいていたり、とてもビビッドな空間が広がっている。 
大阪にもこんなスペースがあるなんて。 ハナムラさん、こわがってごめんなさい。 以下次号。