No.461 高次脳障害
平沼@NMAです。
高次脳障害認め賠償命令 札幌高裁で逆転判決
交通事故で高次脳機能障害を負ったとして、札幌市の女性(25)が市内の男性に
約1億2400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は26日、
慰謝料約240万円の支払いだけ命じた1審判決を変更し、約1億1800万円の支払い
を命じた。
裁判長は、女性は事故が原因の高次脳機能障害と認定。エックス線などで脳に
外傷が見当たらなかったことについて「臨床現場では外傷を伴わない場合、診断
が極めて困難で高次脳機能障害者に対する保護に欠けることがある」と指摘した。
判決によると、女性は1997年6月、札幌市で母親の軽トラックに乗車中、男性の
トラックに追突された。事故後、集中力の低下や記憶障害が残り就労することが
できなくなった。 (共同通信-5月26日付報道より抜粋)
このニュースにある「高次脳機能障害」というのをご存知でしょうか?
高次脳機能障害とは、交通事故や水の事故、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患により
脳に生じた後遺症のことを言います。
感情・感覚・記憶・動作などに障害をきたし、感情が抑制できなくなる、口数が少なくなる、
無気力になる、記憶力が低下するなどの症状が現れます。
その結果、家庭や職場で適切に振る舞うことができなくなることも珍しくありません。
しかしながら、身体障害が無く、高次脳機能障害だけが後遺症として残った場合には
外見からその障害が分かりにくいために周りの人に誤解されやすい側面もあります。
また、このような障害があること自体、世間にあまり知られていないため、本人や家族も
気付かず、医療機関でもなかなか発見されにくいという側面も持っています。
皮肉なことに車の安全性能や医療の発達により、かなりの大事故でも一命を取り留める
確率が高くなってきたことから、高次脳機能障害の患者さんが急増したそうです。
そのため、医療や福祉での公的支援がまだ立ち遅れているのが現状です。
自賠責制度においても後遺障害と認定されたケースは少数に止まっており、後遺障害
としての認定システムも確立されていません。
高次脳機能障害の他にも低髄液圧症候群など、世間の認知度が低く、医療や福祉の
公的支援が立ち遅れている障害は、まだまだあります。
事故を起こさない、事故に遭わないことが何よりですが、不幸にも事故に遭ってしまい
一命を取り留めたものの障害が残った場合のご本人やご家族の精神的・経済的負担は
計り知れないものがあります。
今回は、このような障害があることを先ずはひとりでも多くの方に知っていただくことで
ご本人やご家族の負担を少しでも軽減できる一助になればと思い、高次脳機能障害を
取り上げてみました。