No.206 バイク用ETC(2) | NPO法人NMA

No.206 バイク用ETC(2)

奈良@NMAです。20050903-nara


前回
に引き続き二輪用ETCの話題を。



今回は四輪運転者に知られざる高速利用ライダーの苦悩です。

四輪しか運転されていない方はご存じないかもしれませんが、2001年に導入されたETCは

2005年9月現在、二輪では100%使いこなすことはできません。



バイク用の車載器が無いのでETCのゲートを使えないのです。

そのため、ETC専用ゲートを通過することで使えるはずの「ETC深夜割引
」が使えないのです。



例えば、東名高速の東京ー名古屋で自動車とバイクの料金を比較してみましょう。

通常料金の場合、自動車は7100円、バイクは5700円ですが

深夜割引の場合、自動車は4950円になるので、自動車の方が安くなってしまうのです。



どうでしょうか、バイクでも有人のゲートでETCカードを手渡せば高速道路を利用できるのですが、

ETCゲートを通過することができないのではメリットは半減です。



さらにETC導入目的の一つに料金所での渋滞緩和がありますが、

自動車に比べるとバイクは料金所が苦手です。

通常、バイクで高速道路を使う時は自動発券のゲートの場合だとして

 1.一旦停止し

 2.ギアをニュートラルにし

 3.チケットを取り

 4.チケットをサイドバッグ等にしまうためにバッグを開け

 5.チケットをしまい

 6.バッグを閉じ

 7.ギアをローに入れて発進です。



料金を払う料金所の場合は更に大変です。

 1.一旦停止し

 2.ギアをニュートラルに入れ

 3.バッグ等から財布を出し

 4.大概はグローブを脱ぎ

 5.小銭かお札を取り出しゲートの係員に渡し

 6.おつりと領収書を受け取り

 7.財布にしまい

 8.バッグを閉じ

 9.ギアをローに入れて発進です



この間、ずっとゲートの中にいるので後続車が沢山いるときは、結構焦ってしまうライダーも多いです。



このためチケットを受け取ったり料金を払う時は、後続車に迷惑をかけないようにと、

チケットや、おつり、領収書を受け取った後に、それらをしまう前にゲートを抜けて、

その先の合流スペースの左端にバイクを止めて、きちんとしまってからバイクを発進させる事もよくやります。

たいていの場合、本当はそこに停車してはいけない事になっているのですが、

多くのライダーがそのようにしている事をよく目にします。



ここまで苦労しても、バイクの方が高い料金を払わなければならないという現象が起きているのです。

バイクに乗らない四輪専門ドライバーのみなさん、高速利用ライダーの苦悩、少しは理解していただけましたでしょうか。

次から高速道路の料金所でライダーを見かけたら、ぜひとも暖かい気持ちで見守ってあげてください。