No.73 便利 | NPO法人NMA

No.73 便利

西村@NMAです。JR福知山線列車脱線事故が起こって

10日ほどになりますが、事故原因が次々と明らかになって

きたようです。直接となる原因は新聞紙面に毎日報道されて

いますが、その事故が起こった背景をもっと考えるべきなの

ではないかと思いました。


過密ダイヤによって90秒の遅れでもダイヤ全体の乱れに
つながり、それが益々定時運行を厳守しなくてはならない
要因として挙げられています。


この過密ダイヤというのも、企業間競争の結果ということも
もちろんあるでしょうが、それを欲している人がいたから
成り立っているということも忘れてはならないと思います。


例えば電車通勤の方なら、朝は何時に起きて何時までに家を
出て駅まで何分かかるか、そして何時何分の電車に乗って、
どこどこの駅で乗り換えて何分の電車に乗って、何時何分に
会社に到着するという計算をしていませんか?


私が会社員だったころはもちろんやっていました。何両目
に乗ったら出口が一番近いかとういうことも考えて乗ってい
ましたし、同様な方も多く見受けられました。


もしこの事故が起こる前に、自分が乗った電車が2分遅れた
ため、乗り換えの電車に乗り遅れて結果30分の遅刻になっ
たとしたら、みなさん平気でいられましたか?


台風シーズンになると電車が不通になり、駅で駅員に詰め寄る
姿がニュースで流れたりしますが、あれは誰が悪いんでしょう?



日本は今世界の中でも群を抜いて「便利」な国だと思います。
そして、その「便利」さを求めていったのは誰よりも我々自身

なのではないでしょうか。


自動車産業が今日、日本でこれだけ発展したという側面には
この「便利」さを求める国民性があるような気がしてなりません。
そして、「便利」さだけを求めすぎたが故に、皆が「安全」をどこか

に置き忘れるようなことがないよう望むばかりです。