名探偵の話 | タイトル未定・・・

タイトル未定・・・

ささやかな日常の雑記帳

「この世には不思議な事など何もないのだよ」

とは、京極堂こと中禅寺秋彦の言説ですが、

今現在起きている現象だけを見ると、不思議で仕方がないように思えても、

種を明かしてみれば、何のことはない…というようなことは意外に多いようで。


そもそも人類がこの世の成り立ちのすべてを解き明かしたわけではない以上、

「人知を超えた」事が即ち超常現象だったり心霊現象だったりするわけじゃないしね。


’80年代を中心に世界中を賑わせたミステリーサークル然り、

前の記事のようないたずらの類も然り。

そんな謎に敢えて乗っかって翻弄されてみるのもまた楽しいものです。

(第三者としてどうしてだろう、不思議だねなんて言ってる限りにおいては)


相変わらず後を絶たないファフロッキーズ現象だって

そのうち合理的な説明がついてしまうかもしれません。

(ちょっとつまらない気もするけどね)



そんな事を考えたときに浮かぶのは、短編 「赤毛連盟」(コナン・ドイル)。

名探偵シャーロックホームズシリーズの中でも有名な一作。

青空文庫 でも読めます)



 赤毛連盟に告ぐ

 ――米国ペンシルヴァニア州レバノンの故イズィーキア・ホプキンズ氏の遺志に基づき、

 今、ただ名目上の尽力をするだけで週四ポンド支給される権利を持つ連盟員に、

 欠員が生じたことを通知する。

 赤髪にして心身ともに健全な二十一歳以上の男性は誰でも資格あり。

 月曜日、十一時、フリート街、ポープス・コート七番地、

 当連盟事務所内のダンカン・ロスに直接申し込まれたし。


こんな奇妙な新聞広告に端を発する何とも説明のつかない「事件」に、

燃えるような赤髪をしたひとりの質屋店主が巻き込まれます。

一連の出来事のあまりの不可解さに彼はベイカーズストリートを訪れます。

滑稽ともいえるこれらの出来事の陰に潜む真相とは?



ホームズさんのバックには常にドイル氏がいらっしゃるわけで、

結果ありきの「名推理」なわけですから、

我々読み手としては下手に謎解きに挑もうなどとはせず、

ワトソン君よろしく横からちゃちゃなど入れつつ、

事の次第を見守ることといたしましょう。



ホームズものの他の作品同様、こちらも数多くの

オマージュ(あるいは、インスパイアされた)作品が書かてていますが、

実は私自身、本作よりも先に島田荘司氏の「紫電改研究保存会」の方を読んでいました。

こちらは「御手洗潔の挨拶」の中の一作。

(タイトルからしてホームズシリーズを連想してしまいますが、ほかの作品も同シリーズを彷彿させます)

こちらも短編ミステリならではの魅力がぎゅぎゅっと詰まっていて、

ホームズは読んでなくても楽しめます。