野菜が体に良いとされるワケ
30~65歳のメタボリックシンドローム患者である被験者を108人ほど集め、ギリシャのアテネにある大学で、とある実験が行われた。
二つのグループに、植物ステリン(ステロール)を含んだ、また含んでいないヨーグルト系飲料をそれぞれに毎日二ヶ月間飲み続けてもらい、通常と変わらない食事をとってもらいます。
その結果、ステロールが豊富に含まれた飲み物を摂り続けたグループは、ステロールが含まれていないグループと比べて
悪玉(LDH)コレステロール 20%
総コレステロール 16%
中性脂肪(トリグリセリド)レベル 19%
と、それぞれ減少したそうです。
さらに、その減少したグループAではグループBと比べて、ApoBと呼ばれる蛋白質の7%の減少が見られたそうです。
コレステロールや中性脂肪、ビタミンAやEは水に溶けないので、蛋白に結合した状態で血中に存在します。コレステロールや中性脂肪を運ぶものがアポ蛋白なのです。
いかに食習慣が西洋化したとしても、植物ステロール(フィトステロール)のサプリメントを受けていれば、冠動脈疾患のリスクを軽減、もしくは改善できるということがこの研究からわかりますね。
さらに、消化に強い食物繊維によって、血中コレステロール値を下げ、血糖値を改善し、血圧を下げ、体重を落とし、発がん性物質に付着して排泄を促し、炎症も減少させます。そして、心臓発作や糖尿病、肥満、そしてあらゆるガンのリスクを軽減してくれるのです。
古くから、当たり前のように野菜はカラダに良いとされていますが、食物繊維を摂ることの大切さはこういうところにあるのです。
少し話が逸れますが、人類史から見た食文化についてお話します。
食文化は時代の流れや宗教などの背景により変化してきました。もともと人類の初期では狩猟民族でしたので肉食がメインだったものの、農耕文化の浸透に伴い菜食が進んだとされています。
実は野菜を食べる習慣は、人類の歴史から見たら、まだ比較的新しいのです。
仏教の教えでは動物の殺傷を禁じていますから、乳以外の動物性食品は口にはできません。禅宗などでは厳格な菜食ですし、動物性食品を一切除いた精進料理が誕生し発展していきました。
カースト制度であるインドでは階層化の影響があります。上の階層ほど規制が多く、最も上層である神官(ブラーマン)ともなると、厳格な菜食を守らなければならないのです。
肉食文化の色濃い西洋においても、動物性タンパク質の摂り過ぎに対する反省から菜食を実行する人が増えています。
菜食、いわゆるベジタリアンが健康的に良いかどうかという点については、必ずしもそうではない。何事もバランス良く摂ることが大事なのです。良質なタンパク質を十分に摂ることも健康においては大事なことです。
塩分、脂肪分、糖分を過剰に摂る傾向にある現代社会だからこそ、菜食というバランサーに注目が集まるのかもしれないですね。
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