【きょじつひまく】
芸の真実は虚構と現実との微妙なはざまにあるとするもの。近松門左衛門の芸術論。

◇  ◇  ◇

「Float like a butterfly, sting like a bee. Your hands can't hit what your eyes can't see.」

「蝶のように舞い蜂のように刺す。そんなオレを、お前ごときが殴れるワケねーだろ!」モハメド・アリの名言である。

格闘家はほとんどの場合、何の怨望もない相手を攻撃し打ち倒さなければならない。やらねば逆に自分がやられるからだ。

格闘家によくあるビッグマウスは、相手を殴る動機を自ら搾り出すための苦肉の策だと私は解釈している。そうでもしなければ、見ず知らずの人間と戦うなど容易ではない。それに、もし負けてしまえば、数多くの批判を受けるリスクまで背負ってしまう。好き好んでできるモノとは到底思えない。

そんな悲哀を秘める「ビッグマウス」は、一方で興行の盛り上がりに大きく貢献する。

以前に亀田興毅が、調印式の席上でハンバーガーを食べるという暴挙に出たときは、一般紙にまでそのエピソードが取り上げられ、大きな注目を浴びた。そんな彼の試合は、今や視聴率40%を超える超優良ソフトにまで成長した。

また、モハメド・アリは試合の度に様々なビッグマウスを発し注目を浴び続けた。1960~70年代のアメリカボクシング界の繁栄は、アリなしでは語れない。ビッグマウスが、業界全体にまで波及することもあるのだ。

そして、そんな彼らに共通しているのは、実はジェントルマンであること。アリも亀田も試合後は相手を讃えるそうだし、格闘スイッチがオフの時は、非常に丁寧な人物であると聞く。無礼な振る舞いは虚構であることがよくわかる。

次に格闘技を観るときは、そんな側面があるということを覚えていて欲しい。より楽しめるハズだから。


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【けんあいこうり】
人を区別なく広く愛し、互いに利益を与え合うこと。

◇  ◇  ◇

さて寅年、トラにまつわる四字熟語といえば「虎視眈眈」ぐらいしか思い浮かばない私だが、“四字熟語講座”などと謳っている以上、それで済むワケはないだろう。こっそり調べてみた。

竜吟虎嘯 猛虎伏草 竜騰虎闘
羊質虎皮 竜跳虎臥 狐仮虎威
竜驤虎視 燕頷虎頸 竜攘虎搏
竜蟠虎踞 暴虎馮河

しかしこの世には、まだまだ知らない熟語が数多くあるものだ。残念ながら今まで触れたことのあるモノは一つもない。読みすら怪しい始末である。

「全部知ってます!」なんて人間は、漢検1級クラスの実力者、そして恐らくは変態だ。彼らは難しい漢字を見ると、喘ぎ、身悶え、終には昇天するに決まっている。

さておき、言うまでもないが虎は強い。これらの熟語のほとんどが“虎”を権力や強さの象徴としていることからも頷ける。それに、虎は発情すると2日に100回も交尾をするそうだ。強いにもホドがある。

今年は虎にあやかり、質より数を目指すのが吉か。


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【きょくがくあせい】
学問上の真理をまげて、世間や権力者の気に入るような言動をすること。

◇  ◇  ◇

近頃の大学経営は大変だ。少子化の影響で入学する絶対数が減少しているのだから当然だろう。現に倒産した大学もあるそうだ。

生き残っている大学だってもちろん安泰ではない。このまま手をこまねいていては淘汰される一方。様々な手を尽くし安定した経営を目指している。

例えば、某大手私立大学では、次の春に学部を新設する。「総合某学部」などという、一目では何を学べるのか皆目検討もつかない文系の学部なんて、将来なんの役に立つのだろうと私は思うが、学生の多様なニーズに応える幅広い間口を設けたつもりなのだろう。

他にも、もはや就職支援施設の様相で、講義の多くを就職対策にあてている大学もある。本来学術的研究や専門教育の場であるはずの大学で、である。また、「AO推薦」という学力無視の入試制度を導入し、例えば、工学部であるのに物理を学んだ事が無い学生を入学させるなど、もう形振りなど構っていない。

そんな中、最近流れている某大学のCMを見て、更に衝撃を受けた。
「私たちの大学は“友だちができやすい”。」
ここまでくると「大学」ではなく「大楽」か。

ベタなオチで2009年を締めくくってスミマセン。
2010年もどうぞよろしくお願い申し上げます。



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