【ふくざつかいき】
非常に込み入っていて、普通では考えられないような不思議なさま。

◇  ◇  ◇

先日バーで飲んでいたら、ヤカマしいオッサングループが入ってきた。

話しぶりが不躾だだったり、少々音量が大きかったりする程度なら何とも思わないのだが、あろうことか彼奴ら、そこで映し出されている映画の結末をバラし始めた。不届き千万、私に恨みでもあるのかと言いたくなる所業。貴様は浜村淳かっ!世が世なら手討ちにいたすところだ。

このようなひと滴の想像力をも持ち合わせていない輩は、会社勤めなどできない筈である。

想像力がなければ、簡単な手順を理解できず幾度も注意を受けたり、報告の必要性を考えず進行を大きく遅らせたり、言付けを噛み砕けず歪曲して伝えたりと、会社勤めどころか、人間として存在していることすら危惧されるような愚劣ぶりを発揮するだろう。

しかし現実はあいにく残念である。

彼奴をよく見ると、毎日それなりに会社に通っていそうな風情で、飲みに来ているぐらいだから当たり前に日銭は稼ぎ、何なら子孫まで残していそうな面々。ニワカには信じ難いが、問題なく人間として存在できているということである。

せめて、せめて私の方が成功できることを祈る。
さすれば慈悲深くあれるというものだ。


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