----------●○IRAコミュニケーション講師 杉長のコラム○●---------------------
「 セラピストのためのコミュニケーションスキル バックトラッキングとは?? 」
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IRA研究会のみなさんこんにちは! IRA研究会コミュニケーション講師の杉長彬です。
今回は、リハビリ場面で使えるコミュニケーションのスキルについて1つお伝えいたします。
今日は「バックトラッキング」というスキルについてお伝えいたします。
バックトラッキングとは、話している相手の言葉を、聴いている人が、「○○という事を話していらっしゃるんですね。」
と伝え返す事です。
いわゆる「オウム返し」といわれるものです。
例えば、
「今日はいい天気ですね~」
と言われたら、「そうですね~いい天気ですね~」
というように返します。
こういう事をする事で、相手に話を聞いていますよ。というメッセージを送り、相手に安心感を与えます。
話している相手の言葉の語尾を繰り返したり、要約して伝え返したり、キーワードだけ伝え返したりなど、
いろいろ方法あります。
これはすごく効果があります。
人の話をただただ「うんうん。」と聞いているだけではなく、そこにバックトラッキングをするだけで、
相手の話を聴いているというメッセージが、無意識的に伝わります。
人の話を聞いて、その話をオウム返しのようにその人に返すということです。
そのバックトラッキングを使った例を一つ。
先日、ある患者さんが「いや~俺ももう90になるから、目がよく見えないんだよ~」とちょっと残念そうに語っていました。
私は、「えっ90なんですか!!」
と彼の90歳っていう所をバックトラッキングして、返した所。
「そうなんだよ!!」と言って急に自慢そうな表情になり、生き生きとしはじめました。
きっと彼にとっては、90歳というのは一つのステータスで誇らしい事だったのでしょう。
このようにバックトラッキングは、一瞬で相手の意欲を引き出せる場合があります。
みなさまの臨床に何かヒントにしていただければ幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。