2022/05/01 ... 難病対策について(厚生労働省)

 

https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000907948.pdf

 

 

平成30年より、国は難病医療支援ネットワークの整備・推進を謳っています。

そこでは、「できる限り早期に正しい診断が受けられ、診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制」を整備するため、都道府県が指定する難病診療連携拠点病院や難病診療分野別拠点病院が中心となって、難病医療支援ネット
ワークと連携しながら、難病患者に対する相談支援や診療連携、入院調整等を行う体制の整備を行うこととしています。

 

「線毛機能不全症候群」のような希少難病が、指定難病に新規に登録されても、直ちにこのような体制が整備されていないことに不満の声も聞かれますし、胸が痛みますが、同時に研究者の立場としては、少し別のことを考えています。

指定難病に登録されていない希少難病にはなかなか目が向かないため、国の動きも遅れがちです。

指定難病に登録されたことで、ようやく体制が整備されていくのですが、その際に、患者団体も関連医学会もしっかり声を上げていかないと、その希少性ゆえ、なかなか改善が得られないのが実情です。

 

希少難病の拠点が各地域に必要ですが、同時に一般病院で希少難病に関わる主治医は、ただ指定難病の先進の申請基準に不満を述べるだけではなく、積極的に専門病院で先進的な医療を実践している経験豊富な医師に対して、電話でもメールでも相談する姿勢がとても大切だと思います。そうでないと、日本の希少難病に関わる地域医療は20、30年前と変わらず、一方で急速に進歩している世界の医療水準から取り残されてしまうことを危惧しています。