まちなか、地域再生調査特別委員会の視察報告(2)
土地所有制度を打破し中心市街地再活性化に成功した「
高松丸亀商店街 1024()午後調査

なぜ古町ばかり優遇するの。人の足音が遠のいた中心市街地への再投資を疑問視する声を多く聞く。

まちなか、地域再生調査特別委員会の調査先2か所目の四国香川県高松市の丸亀商店街は、空洞化した中心商店街の再生として、今全国の商店街から熱く注視されている。

四国高松市は長い間、四国の玄関として所謂支店経済(官庁や企業の出先機関が集中する)で栄えた町でした。その中心地であった商店街も、全長2.7キロの日本一のアーケードをもっており往時が想像できる。ところがこの商店街も全国同様崩壊していく。一つは交通インフラの整備。瀬戸内海に3本の巨大な橋が架り、支店の必要性が低下廃止され、消費者もより巨大な関西圏や中国圏に流出。二に、バブルによる地価高騰で、郊外での開発圧力の増大で、高松市は市街化調整区域を全廃した。結果、全国チェーンの大型店が比較的地価の安い郊外に進出し、顧客を奪われてきた。

結果、シャッター街が目立ち、町の活力が失われたと、我々の案内役の高松丸亀商店街振興組合の古川康造理事長は語る。古川理事長は新潟の市街地活性化でも何度も新潟に来ていただいてアドバイスいただいている。今回の我々の訪問は一見は百聞にしかず。また但し、古川理事長は商店街も手を拱いていたわけではない。集客のためのあらゆるイベントはやったともいう。しかしいったん流出したお客さんは戻ってこなかった。なぜか、一旦、シャッター街になった町ではお客さんを満たす、売れるものが揃っていなかったと分析。

どこか新潟でも同じではないのか。古町やローサ。何も欲しいものがない。テナントミックスがまったく成り立っていない。新潟市が係わるローサは問題外。若い女性向けだけの商品の山と、タコが足を食べるがごとく、商店街なのにシャッター街を埋めるために、公的施設を大量に貼り付け多額の税金を無駄遣いし、かつ客足を削いでいる。

 話しを戻すが、そこで高松がとった手法は、①イベントを持っての町おこしは止める ②全国の失敗事例の研究から、官に頼るのではなく民主導で開発を行う。大きな箱モノではなく、身の丈サイズに ③売れる商品構成にするためテナントミックスを進める ④人の住まない町は活力を失うから、住宅整備をすすめる

→そしてこれらを進める具体的手法として、土地の活性化を阻んできた、土地所有制度を見直し、所有権と利用権の分離を図り、60年定期借地権として利用権を買い取った。ここがポイント。特にバブルが弾けたことで、これまで地価の高かった商店街では銀行から多額の借金をさせられ、これが弾けたことで、日夜、金策に追われていた商店主の救済策になった。組合が造ったまちづくり会社が、利用権を買い取り、所有者がこれまでの1件当たり数億の借金を返済し、新たに1千万ちょっとの借金で出資をした。60年後には更地にして所有者に返却するという。しかし実際は返してもらっても困るけどね。土地の所有権が、一部切り離されて資本化され運用されることとなった。スゴイ発想力だと思う。同時にこれまで営業していた商店主には、積極的に商売を行う気のない人には退場していただき、今度は地権者として、8%の地代を保障することとした。こうした取り組みで町は再活性化し、私たちが訪れた平日日中でも人の流れが絶えることがないほどに客足が戻ってきたという。

そしてもう一つ、古川理事長が強調したことは、中心市街地が地域文化を支えてきただけでなく、地方自治体を支えてきたのだという。おそらくどこの地方でも同じだが、高松では5%程度の面積しかない中心市街地からあがる税収は、固定資産税や法人税や所得税などの税収の75%をあげた。しかし一方で、郊外の大型店は、固定資産税が中心市街地と比べ大幅に安いうえに、中央資本のため法人税は地域外に流出してしまい地域の発展に貢献していない。地方分権を活かし大型店に地域独自の課税をすべきと、私たちを煽ってきた。

実は中心市街地の役割というのは、賑わいの空間だけでなく、町全体を支える源泉でもあったということ。

町が廃れれば中心市街地も廃れるのではなく、中心市街地が廃れれば町も廃れるという。ここがもう一つのポイトではないだろうか。

話を新潟に戻すが、古町等の中心市街地からあがる税収を維持するために、再投資の割合がどうなのか。高齢人口減少社会で、インフラ整備の済んだ中心市街地の再整備について、市全体の町づくりの中で再整理をすべき課題だ。

写真は高松丸亀商店街振興組合の古川康造理事長。このビルの地下に自動出し入れのできる駐輪場がある。また組合で運営するまちづくり会社は、5か所の駐車場と保険の共同購入で、2億4千万円の収入を得、買い物バスの運営経費にも当てている。