前回、トイレの個室に入ることへの憂鬱について書きました。

 その流れで、もう一つの憂鬱についても触れたいと思います。

 憂鬱、というよりは、不安あるいは恐怖、と表現した方が適切かもしれません。

 

 過敏性腸症候群、とくに下痢型の方には、共通することではないでしょうか。

 

 漏らしてしまうかもしれない、漏らしてしまったらどうしようーー。

 お漏らし、失禁への不安、恐怖です。

 

 私は小学生のときに、お漏らしをしたことがあったので、そのつらさ、屈辱感を身をもって知っていました。

 だから、その分だけ、経験がない人よりも、不安、恐怖感があったのではないか、と思います。

 

 私は小学生の時に3度、お漏らしをしました。

 なぜ、同じ失敗を繰り返してしまったのか。

 お腹が弱かったこともありますが、それ以上に、学校のトイレを巡る環境が悪かったことが原因です。

 男子の場合、個室に入る=うんこ、とわかってしまいます。ガラの悪い男子に、覗かれたこともあるし、扉の外からはやし立てられたことも、教室に戻ってからからかわれたこともあります。

 

 そうした「からかい」に遭って以降、学校にいる間は、お腹が痛くなっても、ひたすら我慢していました。

 自宅に帰るまでの20~30分間、腹痛を耐えながら歩くのは、とても辛いことです。

 1年生と4年生の時、途中で我慢できず、漏らしてしまいました。

 とくに1年生の時は、物心ついて初めての失敗でしたので、その時のショックをよく覚えています。

 1人で帰っていた時だったので、クラスメイトに見つからなかったのは幸いでしたが。

 

 授業中にトイレに行くのも、ハードルが高い行為でした。

 休み時間でさえ、からかわれるのに、静かな授業中に、ひとり手をあげて、先生に「トイレに行ってもいいですか」と訴えるのは、勇気が必要です。

 その勇気がなかったため、1度、教室で我慢の限界を超えてしまったことがありました。

 小学2年生の時です。

 

 その後の学校生活に大きく影響してしまった出来事でした(この時の体験は別の機会に、書こうと思います)。

 

 我慢できなかったら、間に合わなかったら、どうなるか。

 よく知っている分だけ、不安が募り、それがプレッシャーになって、さらに腹痛が促進されてしまうのです。

 こういうのを、トラウマ、というのかもしれませんね。

 

 個室に入って腹痛に苦しんでいると、こうした記憶が蘇ってきます。

 トラウマにさいなまれている、ともいえます。

 

 腹痛・下痢そのものもつらいのですが、不安や過去の記憶との闘いもまた、つらいものでした。