今から10年以上前、
札幌の病院に勤めていた頃に埼玉県の特養のリハビリ立ち上げの仕事を任されました。
今で言えばコンサルのような感じですね。
書類作成、機能評価、運動プログラムなど一連の業務を現場の看護・介護スタッフに伝達し、3ヵ月で稼働させることが私の任務だったのですが、その時にベテランの女性介護スタッフから言われた言葉が忘れられません。
それは、各部署にあいさつ回りをしていた時でした。
その女性は私に向かって皮肉たっぷりにこのように言いました。
「わざわざ、私たちの仕事を増やしに来たんですね~」
私は一瞬言っている意味が分からなかったのですがすぐに、私がこれから行おうとしている事は現場のスタッフにはまったく歓迎されていないのだという事に気が付きました。
「ただでさえ忙しい介護業務に加えて、リハビリも行うなんてとんでもない」という気持ちがその言葉には込められていました。
この一言は、私が「相手視点」、「顧客視点」という事を強く意識するようになった大きな出来事でした。