数週間前に引っ越してからしばらくしてテレビが到着し、
つけてみたらうまく映らなかったのでラジオを聞くことにした。
NHKラジオはテレビほどではないものの
しょっちゅうニュースを流してくれるのでだいたいそれを聞いている。
朝のニュース番組のあとに、何と言ったらいいのかわからないごく普通の、
お便りや地域のイベントを紹介する番組が流れる。
そこでこの間、写真展の紹介をしていた。
確か、野鳥の会の人をゲストに迎えて写真を紹介していたのだと思う。
女性アナ「この鳥は水を浴びながらとっても気持ちよさそうな顔をしていますねぇ」
野鳥おじさん「そうですねぇ。鳥は常に警戒しているもので表情もあまり出ないですから、笑っているように撮れるのはとても珍しいことなんですよ」
女性アナ「お腹の毛を膨らませて空気を入れているようですね」
野鳥おじさん「はい、これはですね…」
途中まで気付かなかったが、この人たちは映像を 送ることができないラジオで写真を紹介しているのだ。
なぜこんなことをしようと思ったのか、一瞬理解に苦しんだ。
しかしその直後、彼らの解説によって自分のイメージのなかで写真がはっきりと思い浮かんでいることに気が付いた。
きっと素人には書けないスクリプトなのだ。
頭に浮かんだものと実物とは違う確率もかなり高いが、視覚的なものを文字で届けるという芸術を体感できたのが嬉しかった。
夕暮れの東京湾の空を並んで飛ぶ鳥たちの写真も紹介していた。
とてもきれいだった。
後から考えると、ラジオで写真展の紹介をするというのは一つの戦略的アイデアだったのかもしれない。
どんな素敵な写真が見られるんだろう、行ってみようかな、
と思った。行ってないけど。
そのほかに、こんにゃく工場の話とか、プリンの話とか、すごく美味しそうだったし、うまいこと説明するなぁと思うことがよくある。
ラジオというメディアにはそんな特色があったんですなぁフォッフォッフォ。
*
ニュース番組で、
専門家を迎えてオバマ疲れや共和党について話をしている途中でこんなことがあった。
「それではここで音楽です」
ええっこんな気分で音楽流せる?!
「エルヴィヒ・トヘルナーで、『せせらぎのワルツ』です」
ああっそういうのんかい!
「ところによって交通情報です」
ええっ音楽たのむわ!
「東京の交通情報をお伝えします」
うわっ東京アウトかい!
という風にラジオに振り回されることも多い。
音楽のアーティスト名は「それっぽい名前ジェネレータ」さんを使わせてもらいました。ありがとうございます。
曲名は適当ですので検索しないでください。人様のがちょっと出てくるので。
「<さわやかな名詞>+ワルツ」をグーグル検索するとだいたい既出です。
水系にしたかったのでギブアップしてせせらぎにしました。
「電気ケトルのワルツ」はさわやかじゃないのでググっても出てきません。
これはボキャブラリーが鍛えられそうだ。