築30年超木造アパートの出口戦略

築30年を超えた木造アパートをお持ちの方の多くが、
「売却を検討しているけれど、具体的になにをすればよいかわからない」
という悩みを抱えています。

結論から言えば、売却には大きく分けて3つの出口戦略があります。

 

1.現況のまま売却(オーナーチェンジ)

2.大規模修繕してから売却

3.入居者立ち退き後、更地で売却

 

それぞれにメリット・デメリットがあり、物件の立地や状態、オーナーの資金状況によって

最適な選択は異なります。

まずは、3つの売却方法について概要・メリット・デメリットを説明します。

 

 出口戦略①:現況のまま売却(オーナーチェンジ)

【概要】

現状の入居者・建物状態をそのまま引き継いでもらう形で売却
最も手間が少なく、スピーディーな売却が可能

 

【メリット】

・入居者対応・修繕不要

・空室があっても販売可能

・物件価格が収益ベースで評価されやすい

 

【デメリット】

・以下のリスクのため、価格交渉されやすい

 融資が組みづらいので、自己資金が必要

 突発的な故障で想定外の修繕費がかかる

 入居者トラブルや滞納などで管理手間がかかる

 

 出口戦略②:大規模修繕してから売却

【概要】

外壁・屋根・階段・共用部などを整備したうえで売却

見た目がきれいになることで古さを感じなくなり、入居率も上がり高額での売却が可能

 

【メリット】

・見た目がきれいになることで購入希望者の裾野が広がる

・将来的な修繕費が見込みやすくなる

・空室が埋まり、満室稼働の可能性が高くなる

 

【デメリット】

・売却前に高額な修繕費用がかかる(300万円~500万円超)

・修繕が完了するまでは売却が出来ない

・修繕しても資産評価(融資担保評価)は変わらない

 

 出口戦略③:立退き・更地売却

【概要】

入居者をすべて退去させ、建物を解体し更地として売却

立地や用途地域がよければ、建売用地やアパート用地として高値売却が可能

 

【メリット】

・入居率・築年数の影響を受けない

・収益不動産以外の購入希望者への売却が可能

・売却後、建物の瑕疵を問われない

 

【デメリット】

・入居者の立退き交渉が難しい(場合によっては弁護士などの専門家に依頼しなければならない)

・立退き期間中、賃料収入がなくなる

・立退き交渉に高額な費用と手間がかかる

・売却まで最低1~2年かかる


 

 結論:それぞれの出口戦略に【向いている人】【適している立地・物件特性】

①現状のまま売却

【向いている人(オーナーの特徴)】

 

・売却を急いでいる人(すぐに現金化しなければならない事情がある人)

・手を加える資金がないor加えたくない人

・入居者トラブル・クレームなどの賃貸管理の煩わしさから解放されたい人

・手間を掛けずに現金化したい人

【適している立地・物件特性】

 

・生活利便性がよく、入居者ニーズが高い地域

・築古でも入居者ニーズが見込める物件

・稼働率75%以上を維持している物件

・継続的に表面利回り8%以上ある物件

・建築確認・図面などの融資審査に必要な資料が揃っている物


②大規模修繕してから売却

 

【向いている人(オーナーの特徴)】

 

・手元資金に余裕がある人

・少しでも高く売却したい・売却益を最大化したい人

・売却まで半年~1年の時間をかけられる人

・希望金額でなければ、売却しなくてもよいと考えている人

【適している立地・物件特性】

 

・周辺に築浅物件が少なく、大規模修繕すれば入居率アップが見込める地域

・家賃単価が比較的高い地域(東京23区・横浜・川崎・市川・浦安・さいたま市など)

・人気がある間取り(2LDK・60㎡ 3LDK・80㎡など)の物件


③更地にして売却(立退き・解体後)

【向いている人(オーナーの特徴)】

 

・長期的な資産整理・相続対策を視野に入れている人

・立退き交渉や解体の負担を引き受ける覚悟と資金力がある人

・他にも収益不動産を保有していて、安定した家賃収入が見込める人

・出来るだけ高く売りたい人

【適している立地・物件特性】

 

・駅近(駅前)で商業地・住宅地としての需要の高い地域

・容積率・建ぺい率が高く、高層建物の建築が可能な地域

・既存建物の容積消化が半分以下の物件

・収益還元評価額よりも土地評価額が1.5倍以上高い物件

・接道、地型がよく、建売用地、アパート建築用地に適している物件

次回のブログでは、出口戦略について成功事例に基づき、実践的に解説します。