大阪市内で心理カウンセラーしていますノジと申します。
今回テーマは不登校のお子さんを持つ親御さんを持つ親御さんに気をつけて欲しい3つのポイントについてお話ししたいと思います。
不登校対応で親が注意すべきポイントはケースバイケースで、事例に分けて考えるなら無数にありますが、「特にこれだけは気をつけておいたほうがいい」と言える重要な共通注意事項もあります。
これからご紹介する3つの注意点は不登校長期化を防ぐためのものでもあります。不登校初期(不登校になってから3ヶ月以内に)の子供を持つ親御さんも、子供が不登校になってから3カ月を経過している親御さんも、長期化を防ぐ意識でお読みください。
(1) 子供が「自分の意思を無視された」と感じないための配慮
不登校対応で多くの親御さんが犯すミスの1つとして、
「子供の意思を尊重せずに親の意思を通そうとする」
というミスがあります。
当然のことですが、そのミスを犯してしまえば不登校は改善に向かいません。むしろ逆に、不登校が悪化する影響を与えてしまいます。
悪化する原因についてはなんとなくお分かりだと思いますが、念のためにここで説明しておきます。
親が子供の意思を尊重せずに親の意思を通そうとすれば、子供は「自分の意思を尊重してもらえない」と不満を抱き、「この親には何を話しても無駄だ」と感じます。そうして心を閉ざすと、大事なところ(例:学校や進路のこと)を全く話さなくなるので、親はサポートしたくてもできない状態になります。結果、必然的に子供は自分1人でがんばらなければならなくなり、子供1人では前進に限界があり、不登校は悪化に向かうのです。
ですから、不登校対応としては「子供の意思を尊重せずに親の意思を通そうとする」の逆を行なわなければなりません。子供が「自分の意思を無視された」と感じないための配慮を続け、閉ざされた子供の心が開いていくようにサポートしていく必要があるのです。
では、具体的にはどのようにサポートしていけばいいのか?
その方法はケースバイケースで無数にありますので、ここではほんの一部だけご紹介させていただきます。
例えば、よくしゃべる親御さんの場合。そういう親御さんは「話しすぎ」でミスしている可能性が高いので、口数を減らすだけでも効果的でしょう。自分の口にチャックをして、口数を減らし、そのぶん子供の話を聴くようにするのです。たったそれだけでも子供は自分の意思を尊重してもらえているように感じ、心を開きやすくなります。
逆にあまりしゃべらない親御さんの場合には、子供への質問をあえて増やしたほうが有効かもしれません。子供の話をよく聴きながらその子供の話の内容を深掘りするような質問を投げかけることで、 子供は「親が自分の話を深いところまで聴こうとしてくれている(=自分の意思を尊重しようとしてくれている)」と感じ、心を開きやすくなります。
この他にもケース別に分けたら無数に対応改善の工夫がありますので、各自、親御さん自身で考えていきましょう。どうしても思いつかないようなら、SIA PROJECTのサポートで提供している音声やメルマガを参考にしてください。音声やメルマガには対応改善の工夫がいっぱい詰まっています。
(2) 不自然な笑顔をやめる
不登校の子供にとって一番悲しいこと、といっても過言ではないことが
「親の不自然な笑顔」
です。
子供になったつもりでイメージしてみてください。
自分が学校に行かなくなる前は自然なお父さんお母さんだったのに、自分が不登校になってからは妙に子供の機嫌をとるようなお父さんお母さんになり、作り笑いをして子供が不機嫌にならないように気を使っている…… 不自然な笑顔で子供が学校に行きやすくなるような空気を作ろうとしている……
そんな状態になったら、どんな気持ちなると思いますか?
決して極端な話ではなく、親を親と思えなくなるかもしれませんよね。
我が子に対して営業マンが見せるような作り笑いをすれば、子供は親のことを他人のように感じます。普通に学校に行っているときの親子の関係が頭にあり、自然な笑顔を見せあう関係が本来の親子だと思っているからです。
そうして、
「この人たち(お父さんお母さん)は子供を学校に行かせるためなら嘘の笑顔でも見せるんだ」
と思い、それが親に対する不信感となり、親のサポートを拒絶するようになり…… 不登校悪化・長期化に向かうんですね。
仮に不登校悪化・長期化に向かわなかったとしても悲しいですよ。子供はその悲しみを一生胸に抱え、ある時爆発させるでしょう。実はそれが10年後20年後の不登校類似状態(引きこもり・出社拒否症など)の再発の原因なのですが、そのことについて話すと長くなるのでここでは割愛させていただきます。
決して間違いでは無いのですが、不登校対応に関する知識が浅い専門家は「家庭ではできるだけ笑顔でいてください」とアドバイスします。本当は「自然な笑顔」でなければ意味がなく、笑顔を自然にするためのトレーニングまで提供できるのが本物のプロなのですが、そこまでできる専門家はほとんどいないんですよね。
ですから、
「間違いではないけれども逆効果を生じさせてしまうアドバイス」
が不登校サポート業界では横行しているのです。
そのアドバイスを受け、自宅で作り笑いをしてしまう親……
それを見て悲しくなる子供……
この悲劇がなくなることは、しばらく無いでしょう。
「間違いではないけれども逆効果を生じさせてしまうアドバイス」が横行している現代の不登校サポート業界が早く健全化されるよう、私としてもできることを精一杯やっていきたいと思っています。
(3) 感謝の減少防止
子供が不登校になってから、親御さん自身が「ありがとう」と言う数は増えましたか? 減りましたか?
意外に思われるかもしれませんが、実は、この質問に「増えました」と答える親御さんが多いんです。厳密に言えば、不登校初期の子供を持つ親御さんは「減りました」と回答することが多く、不登校が長期化に入っている子供を持つ親御さんは「増えました」と回答することが多いんです。
ここには興味深いメカニズムが隠されています。ちょっと不思議なお話に思えるかもしれませんが、雑談を聴く時のような感覚で気軽な気持ちで読んでください。
今これを読んでいるあなたは、感謝の対義語をご存知でしょうか?
国語辞典的にはわかりませんが、心の勉強をしている方ならこう答えるはずです。
「『感謝』の対義語は『当たり前』」
そう、「感謝」の反対は「当たり前」なんですね。ですから、人間は無意識でバランスをとります。 「当たり前だ」と感じることの割合が増えてくると、「いけない、いけない!感謝が足りないぞ!」と無意識が発動し、「感謝の割合を増やしたくなる事態」を引き起こすのです。
不登校という事態もその1つです。子供が不登校になることで、子供が普通に学校に行っていたことは「当たり前」ではなくて「感謝すべきこと」だったんだと気づき、学べるんですね。そこで感謝の量を増やしていければ、バランスが改善し、いつの間にか子供が不登校を抜け出していくし、逆にそこで学ばず、感謝の量をさらに減らしていくようなら、ますますバランス改善が必要となるため新たなネガティブ現象(感謝の割合を増やしたくなる事態)を引き起こすのです。
ですから、そこに直感的に気づいた親御さんは自然と「ありがとう」と思う回数(言う回数)が増えていきます。
子供が生きてくれているだけでもありがたい、子供が元気なだけでありがたい、子供の
笑顔を見られるだけでありがたい…… そんなふうに感謝する割合が増え、それに従い自然と「ありがとう」と言う回数も増えてくるのです。
ただし、そんなふうに自然と感謝の割合が増えている親御さんでも、そのほとんどはバランス改善に至っていません。ほんのわずかしか感謝の割合が増えていないので、子供の不登校という事態が不要になるまでには至っていないのです。
ですから、「当たり前」と感じているものを「感謝」に置き換えることを継続していかなければなりません。それを3ヶ月以上継続できる親御さんは100人に1人もいないと思いますが、挑戦する価値はあります。もし、3ヶ月以上継続できて感謝の割合が飛躍的に増えたら、その後は子供の様子が全く違ってくると思います。
感謝の減少防止に関しては甘く考えないでください。「これくらいなら自分ひとりでできる」と思うかもしれませんが、それは3ヶ月後に全く違った体型になるくらい難しいことです。体重100キロの人が3ヶ月で45キロに痩せるぐらい難しいものだと思っていてください。トレーナー(専門家)のサポートなしでは普通は無理です。
以上、「不登校対応で特にこれだけは気をつけておいたほうがいい」と言える重要な共通注意事項を3点だけお伝えしました。
これら3点に気をつけるだけでも不登校対応は大きく改善され、それに伴い子供の状態も大きく改善されると思います。
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経歴
西淀川特別支援学校卒業後、 自立生活支援センター等で二年間支援業務に従事
財団法人 関西カウンセリングセンターにて上級心理カウンセラー取得
そして現在はいじめ問題等抱える中高生のメンタルサポート等にも力を注いでいる。
フリースクール等での傾聴ボランティア。
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