【注釈】 | ゲームデザインエクセレント

【注釈】

*1 :独立した職種となっている場合もありますが......
 このシリーズでは、「企画職=ゲームデザイナー」という立場なので、こういう言い方になりますが、ゲームの構想&提案部分だけをゲームデザインとする立場からは、「企画職の仕事=ゲームデザイン+ディレクション」という構図で理解できるでしょう。
  ただ、名刺にディレクターとある人が、ここで書いているような立場とは限らないのが、面倒なところです。実質的にプロデューサーなのに、肩書きはディレクターなんていうことがあるのです。「『プロデューサー』は、スタッフクレジットで社長につける肩書き」なんていう会社だと、その部下をプロデューサーと呼ぶことはできないわけですね。また、マーチャンダイジング担当の中にもディレクターと名前の付く人(例えば広告ディレクター)もいるため、話は混乱してきます。
  このあたり細かく論じていくときりがないので、あまり深入りしないことにします。


*2 : 「構想」→「企画」→「仕様」→「実装」という4段階
  このあたりは私自身の業務経験に基づく描写で、オーソライズされた用語ではありません。一方で、少し後ろに出てくる「要求/設計」や「5つのフェイズ」などは、工学者・経営学者によってオーソライズされた概念を引用しています。実は彼らの理論はここで引用しているものより遙かに精緻なのですが、正直なところ、私が自分の周辺で見聞きしてきた実際の業務ではそれほどのものは使いません。アバウトな把握でも、全くのカオスに比べれば格段に有効なものなのです。


*3 :ここでOKが出た場合、プロジェクトには予算が付き......
  予算が付くといっても、その時点ではお金がある訳ではなく、将来に向けての約束にすぎません。「予算3億」などと言われると、つい3億円の札束が積み上げられる状態を想像してしまいますが、実際には「完成するまでに使うお金として、トータル3億円まで許してあげるよ」ということです。そのため「予算はあるが金がない」なんていう悲喜劇も、しばしば発生します。


*4 :プロジェクトの可視化
  ソフトウェア開発を可視化する試みとして、近年UMLというものが注目されています。平たく言えば「チャートの体系」です。ソフトウェア開発の世界では、処理の流れを可視化するためにフローチャートが使われていました。書き方と記号の意味を共通化することで、共通言語としての意味を持たせたのです。UMLにも、それと同様の形式は含まれています。さらに、概念設計からコーディングに至るまでの各プロセスに応じたさまざまな形式が用意されています。
  現状では、まだ普及度が低いのですが、システム開発の領域で、徐々に使われるようになってきており、ゲーム開発者教育の局面でも、しばしば論じられるようになってきています。プログラマたちが当たり前に使うようになってくれば、ゲームデザイナーにとっても必須知識の一つになるでしょう。