◆ ガントチャートで可視化せよ | ゲームデザインエクセレント

◆ ガントチャートで可視化せよ

 さて、計画を立てた場合、それをどのように使うのかが、重要になります。もし担当者の頭の中にしかないのでは、非常に使い勝手が悪いということになります。基本的に、誰からも見えるようにする=可視化する必要があるでしょう。
  そこで作られるものがあります。ガントチャート(線表)です。
  ガントチャートに使う道具は、縦横の表です。縦軸(行)に個々の作業を置き、横軸に日時(通常は週単位)をとった上で、作業を行う期間を横棒で示していきます。
  図は、ガントチャートの一例です。手元に公開可能な適切なものがなかったので、オンライン百科事典「ウィキペディア」からパブリックドメインとして公開されている画像を持ってきました。



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 図を見ればわかるように、ガントチャートはWBSと直結しています。縦軸に書き込む作業は、WBSでリストアップしたものなのです。また、WBSと同時に組み立てておいた手順に沿うように配置することは、言うまでもありません。図の場合、"WBS1.1"の作業と"1.2"の作業は同時にスタートしていますが、"1.3"の作業は"1.2"が終わってから。また、"1.3"と"1.4"、また別項目の"2.3"とは、終わりがそろえられています。

 ガントチャートの目的は、プロジェクトの可視化にあります。*4
  これを壁に貼っておけば、どういう段取りでこれからの仕事が進むのか、また誰がどんな作業をすればいいのかわかります。そして、期日通りに進んでいるか......遅れがある場合は、どこがどのように問題になっているのか、即座に把握することができます。つまり、「計画」フェイズだけでなく、「実行」フェイズのリアルタイムな可視化であり、同時に「コントロール」フェイズの強力なツールにもなるわけです。
  プロジェクトの可視化には、他にもネットワーク図というものがあります。こちらは、作業手順を可視化したものです。WBSではっきりさせたジョブは、前後関係を正確に把握しておかなければならない場合もあります。上の図における各アクティビティの関係は、このままでも読み解けば理解できますが、ネットワーク図として別途まとめていた方が、より親切でしょう。

 私見としては、プロジェクト管理というのは、実際にはこのガントチャートにかかっているように思えます。「適切なガントチャート」というのは、プロジェクトマネージメントの手段のように見えますが、実際にはそれを目的にして取り組んでいくと、ちょうどいいのではないかと思うのです。