【注釈】 | ゲームデザインエクセレント

【注釈】

*1 : 『交響詩ヤマト』
  例によって記憶にゆだねての引用なので、このタイトルおよび続くキャッチコピーも含めて、再現率はかなり低いです。「まあこんなことが書いてあったんだ」程度に理解しておいてください。


*2 : 外部の投資家から調達する
  この投資家が集まって権利主体となるために作られるのが、近年よく見る「製作委員会」です。
  映画の世界では、著作権の有無で「製作」と「制作」を分けます。著作権法では、映画に関しては、実際に作った人(監督など)ではなく、費用を負担した人(実際には会社)が著作権者となるように決められています。前者が「制作」、後者が「製作」です。例えば『千と千尋の神隠し』を作ったのは制作会社であるスタジオジブリですが、映画そのものの著作権は「『千と千尋の神隠し』製作委員会」(日本テレビ、徳間書店、三菱商事、電通によって構成)が保有しているのです。
  日常語感覚では、工場で"製品"を作るのが「製作」で、デザインスタジオで"作品"を作るのが「制作」なんてイメージがあります。作品性を強調したいゲームソフトのような商品では、あえて「製作」の語を避ける傾向があるのですが、局面によっては異なった意味合いを持ってくるので注意してください。


*3 :4つのP
  実はこの概念は、「マーケティング」テーマの中で、よく語られるものです。売り手の取り得る手段をこの4側面に分けたもので、それらの具体的な組み合わせを「マーケティングミックス」と呼びます。
  企業にはもっぱらマーケティングを担当する人=マーケッターという人もいます。プロデューサーとマーケッターの違いは、「作る」要素の有無でしょう。マーケッターは、分析をし提案をしますが、商品を開発・製作する訳ではありません。商品化プロセスでは、上流か下流のどちらかに位置していて、最初から最後まで一貫して取り組むようなことはありません。そこへいくとプロデューサーは、個別のプロジェクトに対して責任を持ち、本文中の図に示しているようなプロセスに最初から最後まで関わっていくことになります。
  なお、「プレイス」(place)は、辞書的には「場所」となりますが、この文脈では流通ないし販売の意味を持ちます。なんでわざわざこんな単語を持ってきたのかといえば、アメリカ人も、彼らなりに語呂合わせが好きだということでしょう。


*4 :内容は業種によってずいぶん違って......
  マーチャンダイジングは多義的な言葉で、業種によってはここで説明したのとは全く異なる意味で使われることもあるので、注意が必要です。例えば流通業界では、仕入れから販売にいたる業務のフローを意味しますし、版権ビジネスでは権利の取得行為をそう呼ぶそうです。merchandiseという単語は、辞書的には「商品」を意味しているため、商品に対して行う何かであれば、なんでもその名で呼べてしまうのです。 
  なお、言葉として少々長いので、「MD」と呼ばれることが多いです。また、日本語化して「商品化」という言葉を使う場合もあります。


*5 :役割の違いというものがあり......
  図では1つしか書いていませんが、プロデューサーは通常何本ものプロジェクトを掛け持ちします。あるプロジェクトが佳境に入っているとき、別の新規プロジェクトを立ち上げたりしているのです。一方企画職は、通常は開発チームの中で仕事をしていくため、同時期には一つだけです。実はこれが両者の最大の違いと言えるかも知れません。