◆ 何をする仕事なのか | ゲームデザインエクセレント

◆ 何をする仕事なのか

 さて、今回から第2部となります。


  これまでの第1部では、ゲームおよびゲームデザインを全体的な視点から見て来ました。いまだ流動的なこの分野に取り組む上では、しっかりした軸足が必要です。クリエイター自身も、時代とともに変わって行かなければなりません。「変わりながら自分を見失わない」ためには、本質に根ざした軸足の確保が不可欠だといえるでしょう。
  しかし、ゲームデザイナーが直面するのは実際の仕事です。自分自身がそれをしなければならず、評論家や経営者のような視点から観ていたのではいけないのです。「ゲームとは何なのか」に関する深い洞察ができたとしても、自分のやるべき仕事ができない人は、クリエイターとしては務まりません。


  この第2部は、実際の仕事として何をするのかを扱っていきます。

 現実論として、企画職はボーダーレスです。プロデューサー、ディレクター、そしてシナリオライターなど、隣接する職域の内容と重なる面があり、「ここまでが企画屋の仕事」という明確な線をひきづらいのです。そこで、ひきづらい線を無理にひくことなく、この第2部の各回では、「**的なゲームデザイン」という切り口で、実際の仕事のスタイルとしてとりうる類型にあわせて、個々の問題を考えていくことにします。
  これを少し違う角度から考えれば、「各職種の中にあるゲームデザイン要素」ということになるでしょう。ディレクターやシナリオライターとしてプロジェクトに参加している場合も、その仕事の中にはなにかしかのゲームデザイン要素が含まれています。その意味で、企画職志望者以外にとっても、重要な内容になってくることでしょう。