◆ 産業を知ることの重要性 | ゲームデザインエクセレント

◆ 産業を知ることの重要性

さて、"活動フィールド"などというタイトルのもとに書きつづる今回は、産業としてのゲームに関する話題です。ゲーム産業の構造などを「クリエイターとして知っておくべきこと」という視点からまとめて行きます。これは、創作の講座としては、奇異な感じを受けられるかも知れません。例えば小説や漫画などの入門講座なら「どう書くか」「何を書くか」を中心に構成するわけで、「出版業界の仕組み」なんていうコマは、たぶんないでしょう。しかし、ゲームデザインを扱う以上、仕方のないことでもあるのです。


 ゲームは、大がかりな創作です。十数人もの人間が十数ヶ月もの間それだけに取り組んでようやくできるというようなものなのです。*1現実的には、ビジネスとして成立させなければなりません。同人ゲームという選択肢もありますが、その場合、内容的に限定されたものになってしまいます。「売り方の違い」に過ぎない小説や漫画の場合とは、根本から異なるわけです。そもそもデザインとは、近代工業の成立とともに登場した概念です。単なるクラフトワーク以上のことをするから成立するわけで、やっつけ仕事でできる規模のゲームには、開発者はいてもデザイナーは必要ありません。およそデザイナーを志す以上、産業への理解は不可欠なのだと言えるでしょう。