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ピアノ演奏活動と、浜松市でのピアノ指導を行っています。
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ピアノ教室スタジオドルチェ

 

 

 

 

 

 

読書感想文コンクールの課題図書。

 

息子が手にしたのは、【海を見た日】

 

 

 

 

 

 

夏休みに提出した原稿が返ってきた。

 

子どもの文章だけれど、こんなことを思ったんだな、と。

 

 

 

 

 

この本はアメリカの里親制度の話です。

登場する子供達は親が亡くなっていない子や、特別な理由があって一緒に住めなくなっている子で、

里親制度の支援を受けて、血の繋がりが無い家族で生活する物語です。

 

僕の家は八人家族で、いつもにぎやかです。

だから、里親制度のもとでの生活も同じように楽しそうだと思っていました。

しかし、それとは逆で大変なこともたくさんあると知りました。

 

 

この本を読んで学んだことが三つあります。

一つ目は、家族との暮らしのうれしさ、ありがたさです。

血の繋がりがなく、知り合い、友達でもない人と暮らしたり生活していくのは、自分ならどうだろう。

みんなの意見がばらばらになったり、けんかになったりすることが毎日のようにあったら、と考えると、

こうして生まれながらにある家庭での生活は、どんなに幸せだろうと感じました。

この先、支援を受けなくても良い人、家族で暮らせる人が増えたらいいなと思いました。

 

 

二つ目は、親に感謝することです。

僕には「勉強をしたか。」「風邪ひかないように。」など、色々と心配する親がいます。

そんなとき僕は「うん。」と口先だけで返事をしていました。

物語の中で、メイドのメアリーと子どもたちとの関わりの場面が心に残り、

親は自分が楽することや得になることを考えるよりも、子どもの将来を第一に気にしてくれていることを改めて知りました。

一つ一つの言葉には愛情が込められているのだと。

家族の存在に感謝しようと感じました。

 

 

三つ目は、人のために何かをすることの大切さです。

里親制度で子供の受け入れが決まると、国から助成金が支給されます。

驚いたのは、そのお金を自分のために使って、受け入れた子の世話をしない里親がいる、ということ。世話をしてもらえない子供は貧しい生活をしなくてはなりません。

「子供の養育費を受け取るわけだから、仕事と同様に頑張って世話をしないといけないだろう、そんな理由で里親になるくらいならやめてほしい」と言いたいです。

逆に、助成金を役立て、愛情をもって養育している里親もいる。親が僕のためにしてくれることを当たり前に思うのではなく、僕も家族のため、人のために何かできないだろうか、と思いました。

 

 

物語では、里親家庭の4人は商店街でマーラをポニーに乗せたり、みんなで観覧車に乗ってジョークを言い合ったりして心から笑って楽しみます。

そこがみんなの心が通じ合った瞬間に思えて感動的でした。

人間同士、大変なこともあるけれど、楽しむこともできるんだな、と思いました。

また、ヴィクやヴェイアが、今までの人生でこんなにも遊んだ経験が無く、今後またこうして遊べるチャンスは無いと感じていたことは衝撃でした。

僕も毎日のように遊びに行くわけではないし、旅行だって年に一回くらいです。

けれど、色んな所へ皆で遊びに行った思い出は、これまで数限りなくあります。

僕にとって当たり前のようにある家族との時間や日常は、ヴィクやヴェイアにとっては到底叶わない願いで、その気持ちを思うと 悲しくなりました。

 

 

里親制度によって出会った血の繋がりのない家族が、本当の家族になっていく。

しかし、この物語はハッピーエンドでは終わらず、厳しい現実のあることもわかりました。

病院にたどり着いた4人はグエンティンの母親を探します。

しかし、すでに亡くなっていました。

母親がこの世にいないことを理解したグエンティンは、こう思います。「もっといい所に行ったのだ」と。

 

 

自分が家族と出かけたり、友達とジョークを交えて話したり、笑い合って生きていけるのがどんなに幸せなことか。

事情があって家族と離れてしまった子供達にも家庭の生活を、という里親制度。その深い意義と大変さがあることを知り、「楽しそう」と、浅はかな考えしかなかった自分が恥ずかしくなりました。

 

そして、世界中で理解を高めるべき、社会的な取り組みなのではと思いました。