別れ② | NKB2 (にられば・かれー?・びふてき・ににんまえ)

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名古屋のキテレツ配信ブログことNKBが、いつのまにかバージョンUPしちゃったみたい。Q:で、なにが変わったの? A:色が――。

「見送りしないよ」
と、母はいつもどおり言った。
「お元気で」
その言葉にわたしは胸が詰まった。
そうしてくれたほうが別れやすい。
「母さんもね」
この言葉を最後に短かったふたり家族は終焉を迎えたが、さよならは言わなかった。
なぜなら、別々の人生を歩んだとしても親子であるのは事実で、仮にこのまま生き別れても母の面影は、いついつまでもわたしの心に残るから別れとは呼び難いものがあったからだ。
そして、何となくこの時は身体が弱かった幼少に戻った自分に会えた気がした。
「悪かったな」と待っていた同級生に詫びた。すぐに荷物を載せてするするとハイエースは走り出した。わたしはすぐに振り返った。
すると、見送らない母の姿があった――。

新居へ向かう車中は重苦しい空気だった。
ただただ流れゆく車窓をぼんやり眺めてると、同級生が口を開いた。
「真似できねえや」
「何が?」
「ひとり暮らし。タメのくせにすげえ大人に見える」
「そんな立派なもんじゃねえよ」と、わたしはダッシュボードに両足を載せてふてくされた。
「お袋さん、平気なのか?」
と、いつになく同級生は神妙に言った。
「わかんねえな。けどさ、おれのせいで苦労したから自由にしてやりやりたいって思ってる」
同級生は「そうか……」と、一瞬わたしのほうを向いた後、普段と同じ笑い顔で続けた。
「引っ越し蕎麦、食いに行こうぜ」

つづく