1930年代を通じて、非常に多くの家庭がラジオを所有することになった。その当時まで、雑誌はずっと部数を伸ばし続けてきたが、ラジオの出現に適応して、ラジオを補足する方法を見つけようとしたため、雑誌はラジオと競わなかった。
 ニュース週刊誌『タイム(Time)』はラジオ番組の一覧表である『タイム・マーチズ・オン(Time Marches On)』というものさえ作った。そこで、人々はラジオ聞きながら、雑誌で関連情報をより詳細に知りたいという欲望を持つようになった。それも、写真付きの情報であった。
 1925年に創られたライカの35ミリ・カメラが人々をより明るく、すばやく撮影できるようにしてくれていた。このカメラがフォト・ジャーナリズムを誕生させることになったのである。
 アメリカでは1936年にヘンリー・ルースが写真雑誌『ライフ(Life)』を創刊した。この雑誌のコンセプトはいろいろなテーマを写真のルポルタージュで報道することであった。そして、文章は最良のジャーナリストやライターによって書かれた。フランスでは『ライフ』を真似て、1938年に『マッチ(Match)』が登場し、ドイツでは『ズィグナール(Signal)』が『マッチ』を真似て作られた。
 フォト・ジャーナリズムの担い手はマン・レイ、カルティエ・ブレッソン、エドワード・シュタイヘンのような写真家で、彼らは写真雑誌のみならず、ファッション誌を含めて、多くの雑誌にベストなフォトを提供してくれた。そして、フォト・ジャーナリズムの黄金時代を築いたのである。