全国健康保険協会(協会けんぽ)は、糖尿病などの慢性疾患で治療を受けている加入者が先発医薬品から後発医薬品に切り替えた場合の、自己負担軽減額などを「差額通知」として知らせるサービスの全国展開を始める。
今年7月から広島支部でパイロット事業として先行実施していたが、威哥王対象となった40歳以上の保険加入者からは差額通知を好意的に評価する声が大半を占めたことや、運用上の目立ったトラブルもなかったことから、当初の計画通り対象を全国に拡大する。来年1月以降、段階的にエリアを広げ、6月末までには全都道府県で実施したい考え。
通知対象となるのは、主に高血圧、糖尿病、脂質異常症などの慢性疾患があり、医療機関で治療を受け薬剤を継続的に服用している患者。協会けんぽの全加入者は約3480万人。このうちどの年齢層や、どの程度の自己負担削減効果が見込める人を対象に調整するかは、広島支部での実績を検討した上で決定する。
協会けんぽの広島支部での差額通知者は約4万7000人。アンケート調査を7月から9月にかけて郵送形式で実施したところ、「良い取り組み」と答えた人は89%に上った(回答率は18%)。通知を受け取った後の行動変容については、「通知をきっかけに後発医薬品への切り替えを希望してみたい」という人が過半数を超え、すでに「通知をきっかけに後発医薬品への切り替えをお願いした」という人も10%近くあった。
ただし、後発医薬品への切り替えを希望した人のうち、実際に切り替わったのは27%にとどまった。切り替わらなかった理由は「医師から後発医薬品への変更が不可である旨の説明を受けた」と「薬局等に後発医薬品を置いていなかった」がそれぞれ約3割あった。