ジュール・ヴェルヌは若い頃は大デュマに師事してロマン劇を書いていたが、
愛読書のエドガー・アラン・ポーの小説にある科学技術を織りまぜて現実性を
より高めるという手法に注目し、1863年に冒険小説『気球に乗って五週間』を発表した。
この作品は純粋なSFではないが、ヴェルヌの作風に多大な影響を与えた。
本格的な科学小説としては1865年に書かれた
『月世界旅行』(邦題では『月世界探検』とも)が最初といえる。
月世界旅行では砲弾に乗って月へ行くという科学的な宇宙旅行が初めて描かれており
SFの嚆矢としての意義は大きい。
その後も『海底二万里』や『インド王妃の遺産』など多くの科学小説が書かれた。
ヴェルヌの作風は当時正しいとされていた科学知識を活用したものがほとんどで、
当時としては現実味と説得力があり、その点が、それまでの(上述されたような)作品群と異なる。
科学を賞賛した一方で人間が科学に支配されることについて危機感を抱くという先見の明もあり、
『国旗に向かって』(別題:『悪魔の発明』)や『二十世紀のパリ』などの作品で
強い警鐘を鳴らしてもいる。
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