核爆弾を作ってみた | 北日本防空司令部

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アニメ、科学、軍事を取り扱うブログ。最近は模型を作っている。


『俺は10番だ・・・』
1/12 Handmade
Nuclear Bomb

今回は核爆弾です。
核爆弾と言えばこれだが・・・
史上最大の水素爆弾「RDS-220」ツァーリボンバ

(注)写真はイメージです。

プルトニウムを使用する爆縮型原子爆弾です。今まで作った兵器では一番高威力かもしれません。
32個の爆縮レンズもあります。取り外しも可能です。重量は300kg。(全てTNT火薬だった場合)

一番作るのに手間取った気がする。
ネジで固定されています。

内部にはプルトニウムコアを包み込むタンパー。これは核分裂で発生する中性子を反射し、効率を高める為の物です。素材は劣化ウラン(ポリパテ)です。
本物ならば300kgです。
一番重い気がする・・・

これがプルトニウムコアです。
設定ではデルタ相プルトニウムガリウム3%を混合した物で、重量は約13kgです。
爆縮されるとデルタ相が高密度のアルファ相に変わり、超臨界を起こすという物です。
この手の核爆弾では非常にプルトニウムが多いです。(臨界量寸前なんだが・・・)
長崎型の原子爆弾はちなみに8kgです。]
「実際にプルトニウムコア」


写真は臨界事故で2名の命を奪ったデーモンコア


実際のプルトニウム
 プルトニウムコアに使った素材



パテを塗る前



これが起爆装置です。
高電圧発生装置、タイマーなどがあります。他にも振動センサーなどの処理妨害装置などがあります。


起爆装置に電力を供給するバッテリーです。(鉛蓄電池です)


核爆弾のケーシングです。
この様に挿入できます。


威力は計算の結果、推定40キロトン。最初の核実験で爆発した核爆弾(ガジェット)の2倍近く。(効率が15%の場合)
高濃縮ウランを使うガンバレル型や最新鋭の核弾頭で使用されるリニア・爆縮型ならもっと小さくなりますが・・・


使用する方法(考えたくはないが)
・方法その1
トラックか何かに積んで起爆する。
・方法その2
空中投下型爆弾にして神姫に担がせ、投下。
・方法その3
ミサイルを作って、使用する。

(最初の核兵器 トリニティ)
かなり核兵器の構造を再現できました。

≪実物解説≫
長くなるので後に回しました。
言わずとも知れた核爆弾とは、核分裂又は核融合で爆発を起こさせる兵器です。

核兵器は原理的には核分裂反応を急激に起こさせて、その熱で目標を破壊する兵器です。
核兵器と原子炉の違いは使用される核物質の濃度と臨界の状態が違います。
臨界とは核分裂で発生する中性子と逃げる中性子の量が一定になることです。これはK=1という式で表せます。原子炉などの臨界状態はK=1、未臨界はK>1、核兵器は超臨界はK=2
核兵器で使用される物質はウラン、プルトニウムです。原子炉で使用される場合はウラン濃度は精々15%程度ですが、核兵器の場合は99%です。プルトニウムの場合は原子炉で使われる場合は4~9%程度ウラン混合されてMOX燃料として使われます。核兵器の場合は濃度92%です。

核兵器の方式は大きく分けてガンバレル型、爆縮型です。

まず爆縮型は核兵器保有国ではよく使われている方式です。これは爆薬の爆発で生じる衝撃波でプルトニウムを圧縮し、臨界を引き起こさせる方法です。
この方式はプルトニウム、ウランどちらでも核兵器の使えます。

≪衝撃波が伝わる様子≫
爆発で生じる衝撃波普通円形に広がるが、これを球に合わせるように変形される。この技術を爆縮レンズと言います。

爆縮レンズの数は通常は32個ですが、インドは12~20個の爆縮レンズで核実験を成功されたらしいです。他にも32個の信管を1000分の1秒も狂わずに同時に点火されるなど技術的難易度が高いです。

次にガンバレル方式は筒に両方に臨界量未満の高濃縮ウランを配置し、片方に爆薬を仕掛け。爆薬を点火するとウランは銃身の弾丸如く、片方のウランに合わさり、臨界を引き起こす方法です。
この方式は非常に簡単で、高濃縮ウランが50kg程度あればどんな国でも作れます。
現在は核兵器を放棄した南アフリカもこの方式だったらしいです。
この方式の問題点は効率が悪い。爆縮型が15%に対して、ガンバレル方式が1%程度です。
他にも使える物質が高濃縮ウランのみです。プルトニウムは不純物が含まれるために核爆発は未熟で終わってしまいます。
この不純物とは核兵器で使用されるプルトニウム239の同位体である240、241が自発核分裂性という厄介な性質があります。この性質はその物質が不安定な為に自然に核分裂してしまう特性です。これがあると十分に臨界を起こさない状態で吹き飛んでしまいます。

あと米国ではこの両方の方式を融合させたリニア・爆縮型という方式があります。

この方式は画像の様に楕円形の爆薬で核物質を包み、両方に信管を付け、それを同時に爆発させ、その衝撃波を爆縮レンズのように変形されて、臨界を起こす方法です。
この方法だと効率は悪いが、非常に核兵器を小型化できる利点があります。米国でしか使われていない方法です。





バズーカ迫撃砲のデイビークロケット
米国最新鋭の核弾頭W88などに使われています。
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