今日は 久しぶりに
介護のお話しでも しようかな 
介護の施設には
毎月のように
緊急の入所者が 来られる
大概は
家で 介護している人が
体調を 崩し
介護を 受けている人の
お世話をする人が
いなくなってしまった場合
ご家族さんの
体調が 回復するまで
施設に 泊まってもらう
しかし
年に何度かは
「ぎゃくたいケース」
と呼ばれる 案件もくる
そんなに
珍しくもないことなのだ
ハツ子さんも
そのケースで 施設に来られた
（仮名です）
来た時は
顔の半分が 紫色で
手も足も あざだらけで
痩せていて
ソファーに 肩を丸めて
ちょこんと 座っていた
人のことが
あまり好きではなかった
ハツ子さん
隣に座ると すぐに 立って
どこかへ 行ってしまう人だった
長い間
家から ほとんど
外へ 出なかったらしい
お風呂に入ることも
あまり なかったのか
水が 怖いみたいで 嫌がって
走って お風呂場から
逃げたことが あった 
そして とにかく
いつも お腹がぺこぺこ
「ごはん まだかな？」
「わたしの分 ある？」
「はやくしてよ〜！おなか 空いたよ〜」
脳の病気の せいも
あったのだろう
スタッフを つかまえては
訴えることが 一日中 続いていた
食べても たべても
満腹にならない
それは
ツラかった だろうな・・
数ヶ月 滞在して
毎日３食
きちんと ご飯を食べていると
ハツ子さんの ほっぺたは
ちょっと ふっくらしてきた
「おなかすいた」発言も 落ち着き
身体中の あざも
キレイに 治り
おくすりの 調整も
うまくいってか
表情も 穏やかになってきた
そして
いつだったか
ある日を境に
隣に座ると
こちらの 手を
握ってくるように なった
スタッフの手を 握って
ただ じっと座っている
そして 時々
「おなかすいたね」とつぶやく（笑）
「この人は
いったいどんな気持ちで
手を握ってくるの だろう？」
そんな疑問が 浮かんだわたしは
ある日 手を握られたまま
ハツ子さんに 聞いてみた
「ハツ子さん
手を握ってくれるけど
手を握ると どんな気持ちになるの？」
ハツ子さんは
「わかんない」と言ったあと
しばらくして
ぼそっと
「やっぱり 気持ちいいよね」
と答えてくれた
そうか
手を握っていると
気持ちいいのか・・
冬の朝 出勤して
パソコンで申し送りを みていると
ハツ子さんが 通りかかった
「ハツ子さん おはよう」
「おはよう」
そう返事して
近づいてきて 私の手を 取った
「うわっ 冷たい！！」
「私ね〜 いま出勤してきたの
今日は寒いからね〜 手が冷えちゃった」
「冷たいね〜」
ハツ子さんは
自分の手で 私の手をこすり始めた
脇目もふらず 一身に
「あ〜冷たい つめたい手！」と 言いながら
「ハツ子さんの手
めちゃくちゃ あったかい！」と私
「そうなの〜！
ハツ子さんの手 あったかいんだよね〜」
と 側にいたスタッフ
そこにいる
スタッフは みんな
ハツ子さんの手が
とても あたたかいことを 知っていた
ハツ子さんの手は
本当に 温かくて
そして 真剣に
両手で こすって こすって
温めてくれたので
私の手はすぐに ぽかぽかになった
ハツ子さんと 会ったのは
だいぶ 昔のことなので
もう きっと お星さまになっている
今でも
思い出すのは
利用者さんの
冷たい手にふれると
握ったり こすったりして
温めることが あるから
「ハツ子さんに
こうしてもらったな・・」
と 時々 思い出しながら
「思い」って
目に見えないけど
思いやりは 目に見える
ハツ子さんは
人生の中で
誰に 手を温めてもらうことが
あったのだろうか・・
人間って ずーっと昔から
こうやって
人の手を温める という事を
していたのかな・・
やって もらって
気持ち良かったから
また他の人の手を
温めようとするのかな・・
そんなことを 思いながら
「 桜が 咲き始めたのに 寒いね 
」
と
お年寄りと 手を握り合う
そんな春先の日々 なのでした 
糸魚川翡翠ツアー(2022年)
新緑の 新潟県糸魚川＆長野県小滝村へ
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5月２８日（土）〜３０日（月）
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次回の クリスタルヒーリングクラスは
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