学校の帰り道に、それほど大きくはないが、立派な木があった。
その木は今度の金曜日、別の場所に移されるらしい。
私は木に詳しくないので、何の木なのかは分からない。
だが、普通の木でないことは私にだった分かる。
不思議な木。
一度も葉をつけたことがない。
しかし、枯れているようには見えない。
あ、そうか。
これは逆さなのだ。
私が枝だと思っていた部分は、根っこだったのだ。
そんな馬鹿なことを考えていると、ある御伽話を思い出した。
それは、間違えて木を逆さに植えてしまった男の話だ。
その男は、こういった。
「この木は冬に植えたんだ。だから、どっちが上でどっちが下なのか分からなかったんだ。」
そして、最後にこう言ったんだ。
「それに、俺は目が不自由だ。」ってね。
あの木が、この話に出てくる木のように、
本当に逆さまだったらいいのに。