さっしーは午後まで生放送があるけど、もしかしたら来るかも、でもビデオメッセージかも、と思っていました。しかし、はるっぴ(兒玉遥)がこのコンサートに登場すると、いったい誰が予想したでしょうか? 

 

兒玉遥は自身のnoteで病名まで公表しましたが、AKB総選挙2016で念願の選抜入りする前から不眠があり、さらに幻覚の症状も出て、気付いた時はかなり病気が悪化していたそうです。休養後一度復帰したものの再度長期休養し、そのまま(グループの代表メンバーとしては異例なことに)卒コンも卒業公演も卒業ソングもないまま2019年6月に卒業することになり、女優として新たな道での活動を始めました。幸いなことにその後は舞台・映画などで順調に活動されています。

ただ卒業イベントなしの卒業は、本人にとっても、私を含むはるっぴファンにとっても心残りとなった出来事で、その時すでにIZ*ONEとして活動していた宮脇咲良は(WIZ*ONEのための)プライベートメールしか気持ちを表明できる場がなかったので、支え合った盟友への思いと感謝を「あなたへ」と題して投稿しました。誰のことか何の話かわかる人にしかわからない長文の末尾に「ありがとう、はるっぴ」と一言だけ誰に向けたものか書きました。

はるっぴはタイのIZ*ONEコンサートも見に行ったようですし、二人は会っていなかったものの、お互いに二人にしかわからない思いがあったでしょう。

 

 

今回、IZ*ONEの活動を終え、HKTに復帰すると同時に卒業発表した咲良は、このひと月で「10年間の恩返しをしたい」と言っていました。その一つが、6/19の卒業コンサートでファンの前に兒玉遥と一緒にステージに立つ、というおそらく彼女にしかできないサプライズを実現することだったのかもしれません。

(追記:後日、6/23のbayfm「さくのき」で咲良自身がまさにそのことを明言していました。"本当はあった未来" "実現できなかった未来"を形にしたかったという言い方もしていましたし、"二人で一緒に卒業する"ぐらいの気持ちではるっぴに出てほしかったとも語っていました。)

最近のはるっぴを多少知っている私でも、6/24から紀伊國屋ホールで「改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」(昨年3月の舞台の再演)が始まる稽古終盤の時期に、まさか福岡に戻りHKTコンサートに出演するとは夢にも思いませんでした。

コンサートの終盤、「大人列車」の前奏でシルエットに浮かんだ姿を見て、私は「まさか、はるっぴ?」と呟いていました。そして曲の前半では(主役の咲良が脇によけて)センターはるっぴを次々と現役メンバーが囲むという、はるっぴ卒コンのような演出が行われました。続いて、二人のWセンター曲「12秒」にさっしーも登場、さっしー・はるっぴがいた時代のHKTが蘇りました。さっしー自身が卒コンで見たかった風景かもしれません。

このクライマックスの後、そのまま二人を交えて松岡はなちゃんセンターの「最高かよ」で本編が終了しました。

 

(HKT公式チャンネルのダイジェスト映像、2:38-「12秒」にさっしーとはるっぴ)

 

こちら(モデルプレスさん)は別映像で、咲良の挨拶も長く収録されています。(期間限定だったのか、その後非公開になりました)

 

イコラブのツアー配信もまだあるので、宮脇咲良卒コンの配信をみるかどうか迷っていたのですが、bayfm「今夜、咲良の木の下で」(さくのき)で咲良が3回にわたりHKT時代を回顧していたり、先日の「CDTVライブ!ライブ!」で久々にHKTを見たこともあり、懐かしさから卒業を見届けたいと配信を見たのですが、二度と見れないと思っていたこういうシーンを見れて、喜びと衝撃と感謝とさまざまな感情が湧いてきました。

もはや絶対に見ることはできないと思っていた、しかしファンはできれば見たかったが叶わなかった、夢のような光景。それを見れただけでもこの配信を見た甲斐がありました。

 

自分が主役の卒業コンサートなのに、ありがとう、咲良。はるっぴ本人にとってもファンにとっても未完だったものがやっと完結しました。

 

 

 

 

 

「さくたべ」(HKTの代表楽曲「桜、みんなで食べた」)で始まり「さくたべ」で終わった咲良の卒コン。演出はイコラブでもおなじみのSEIGOさんでしたが、セトリは咲良自身が選んだようで、彼女のHKTおよびAKBでのヒストリーをたどるような、そしてIZ*ONE時代についても矢吹奈子と二人で「夢を見ている間」(秋元康作詞、日本語バージョン、もともとPRODUCE48の楽曲)を歌うことで触れるようなものでした(その1曲だけマイクがIZ*ONE仕様に<WIZ*ONEがメンバーに贈ったものとのこと>)。IZ*ONEの同僚だったひぃちゃん(本田仁美)からのビデオメッセージも流れましたし、おそらくHKTファンではないWIZ*ONEのために楽曲には歌詞がテロップで配信画面に流れました(ZAIKOの国外配信には英語または韓国語の字幕がついた模様)。

MCでメンバーがイヤモニを片側はずしていたのは、さっしーの残した教えだったのでしょうか。

 

 

 

アンコール4曲を含め3時間、30曲ほどのなかで、さっしーのセンター曲「LOVE 

TRIP」と「ジワるDAYS」(松岡菜摘・本村碧唯と)を歌い、乃木坂の「サヨナラの意味」(橋本奈々未センター曲)を歌ったパートの選曲*、1期生卒業生からのビデオメッセージ(フジテレビに就職した若田部遥やAKBから移籍してきた先輩多田愛佳を含む)、衣装担当でなくなったオサレカンパニーに全員の新衣装を依頼したこと(簡単ではなかったらしい)など、あらかじめプランを立て撮影していた卒コン用ブックレットも含め、宮脇咲良のプロデュース力やアイデア、ニュースになる発信力、そして咲良という人の人間性も改めて認識させたすばらしい卒業コンサートでした。

(*追記:「ジワるDAYS」は、さっしーのAKB最後の曲だが、自分が (IZ*ONEのため)選抜に入れなかったので"できなかった未来"として入れた。「サヨナラの意味」は、よく思わない人もいるかもしれないけども、今年に入って大きな別れが二つあり、IZ*ONEのラスコンではこの曲に力をもらっていた。もともとリリース時から好きだったが、この歌詞に支えられてラスコンをやり切れた。(メンバーの卒業で)別れを一番経験している1,2期生と歌うことにした、と選曲の意味を「さくのき」インターネットver.で語っていました。)

咲良より身長が高いメンバーもいるはずなのに、咲良が一人だけ大きく見えたのが印象的でした。

 

(追記)アーカイブ(見直し配信)には10分間の帰国時ドキュメント映像がついていました。また、特典映像の推しカメラ(咲良のアップ)でも#4で「大人列車」「12秒」を見ることができ、細かく表情を見れるので別の感動がありました。#5がアンコールになります。咲良の後ろにいるメンバーもアップで映るので、表情やメンバー間のやりとりが見れて、こちらも必見です。

 

咲良、卒業おめでとう。お疲れ様でした。

そして、これからの前途に幸あらんことを。