眩しい春の陽射し
心地よい風


たくさんの  優しい花の香り
賑やかな  笑い声



にゃ~っ!と
尻尾を振りながら  歩くにゃんこは



そばで
そっと  見守るかのように
ちょこんと座り  目を細めている



にゃんこは  
私たちの話に  耳を傾けながら
違和感なく  座ってるように見えた



しばらくすると
にゃんこは  伸びをして
尻尾を振りながら  行ってしまった



心に  重たい蓋を  乗せられているような
重く苦しい   時間が過ぎた



ふとあることに気づく



きっとあの橋のたもとで
にゃんこが  待っているのかもしれない
と・・・


先ほど見かけた
にゃんこを思い出す


ああ
そうなのか
にゃんこは  もう来てくれたのね


にゃんこが  居てくれるのであれば
寂しくない


大丈夫
温かい穏やかな
あの場所は


きっと優しく  迎えてくれるはず
だから
安心して  空を見上げよう







家に帰り
干していた洗濯物を  取り込んだ


すると  ポタッと  
赤いてんとう虫が  床に落ちた


涙が止まらない

ああ・・・

来てくれたのね
お帰りなさい


そっと手の平に  てんとう虫を乗せ
窓の外へと  手を差し出す


てんとう虫は   少し手の平を歩き
飛び発った


私は  大丈夫

安心して  自由に過ごしてね





また   逢おうね