ピンポーン」




コタツに入ってバニラアイスを食べていたら突然チャイムがなった





顔を見ると名乗る訳でもなくて由依が立っていた





「入っていいよ」


久しぶりに由依が来てくれて心做しかウキウキと心を踊らせる自分がいる




「久しぶり」


「寒かったでしょ」




由依の手からカバンを受け取り、中に誘導する






「アイス食べてたの?」




慣れたようにコタツに入り、私の顔なんて見ずにテレビを眺めて問いかけてくる





「由依も食べる?」





温かいココアを渡すついでに冷凍庫を開けてアイスを見せる





なのに、好きでもないアニメを見ているのか、見ていないのか分からないが




こちらを見ずに空返事が返ってくる




「いらなーい」




「これ熱いから気をつけてね」




いつも後輩に優しく、同期には末っ子に甘える由依だが、私にはいつもこういう素っ気ない態度が多い





「今日はどうしたの?」






ココアを出してもテレビを眺めてまるで私の目を見ないようにしている


「由依?」


「由依ー?」



「由依ちゃん」



可愛く問いかけても返事がない




「このアニメどこが面白いの?」




世間では結構人気のアニメ、、





由依には刺さらないらしい




「消すね」





「別に消さなくていい」




どっちだよ





とツッコミを入れたくなるけどこれがいつもの由依だ





「私卒業することにした」




「だから私と付き合って」

 


「えっ」




卒業する驚きと次の言葉に驚いた





いや、次の言葉に驚いた




「私、理佐のこと好きだから」
「付き合って」





頭が混乱して次に出た言葉は「はぁ?」だった





混乱している頭にさらに言葉が詰め込まれる





「前からメンバーと理佐とはなんか違うかった」




「最近まで理佐のこと苦手だと思ってたけど、」



「そうじゃなくて、好きでどう接したらいいから分からなかった」




「そういう事だから」



という言葉に片付けられ、押し倒されるようにキスをされた




無理やりされた嫌な気はしなかった、、





キスで止まることはなく、首にキスを落とされ、服の中に手が入ってきた





幸い由依の力は弱くて、片手でその動きを止めることができた



「ちょっと落ち着いて」




動きを止められたものの、キスは続いている





ぐいっと由依を引き寄せ抱く




「突然すぎる」




「なんで、理佐も好きでしょ?」




嫌いじゃないし、キスをされても嫌な気は起こらなかった




ずっと由依は特別だった





「好きだけど、ちょっと落ち着いて」


「事が早すぎて理解が追いつかない」




落ち着かせるように由依の目を見る




見たこともないくらいに甘く可愛い顔をしていた




「まだこうやって由依の顔を近くで見たこともない」




「ほっぺたをこんなふうに触ったこともない」



由依の柔らかいほっぺたを優しく触る


「卒業発表おめでとう」

「お疲れ様」





「まずはこれから言わせて」


  

そう言って由依の頭を撫でる




「ありがと」



さっきの由依とは別人でいつもの素っ気ない由依に戻った、、





「それと彼女としてよろしくね」



「それと私、攻めるのは性に合ってないから」



由依の頭を手で覆い、押し倒す



「全部私が教えてあげる、、」