柔らかく、心まで温かくしてくれるような風が、広く優しく吹き渡る――…

穏やかで幸せな季節が巡ってきました。

 

今日は珍しくタイムリーな記事です。

 

 

 

 

4月21日

 

 

木村晃之助さん、お誕生日おめでとうございます(*´▽`*)

 

 

赤や桃色の鮮やかな装束。

独特の構えや所作。

そして、鋭く大きな掛け声――…と、たくさんの特徴をお持ちの行司さんです。

 

本場所の土俵を観察していると、上記みたいなことが多々拝見できるので、

とてもこだわりが強く、かなり個性が強烈なお人なのかな、と思っていました。当初は。

 

ただ、それが単なる強情さや我の強さ、またイメージ・キャラ的なものではない(失礼)と心から実感したのは、巡業で晃之助さんのお姿に間近で触れさせていただく機会があったからです。

 

今回は、

現在では夢の世界となってしまった巡業の一場面から、

晃之助さんの素敵な記憶を切り取ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

いつかにアップした写真なのですが、

初めて晃之助さんにお写真を撮らせていただいた時の一枚です。

本場所ではあまり着用されない(?土俵入り先導時に着ておられる?)

現・名解説者であり、ご自身のお師匠様でもあられる

第五十二代装束をばっちり着用されておられます。

軍配は本場所と同じ、御両親から贈られた秀衡塗です。

塗りを依頼したお店は、現・お師匠(元・千代大海関)の女将さんのご実家、

という九重部屋をつなぐコーディネートです。

 

晃之助さん、言葉少なげの中(行司さんは皆さま言葉少なげですが)、

柔らかく笑みを浮かべて下さった姿が印象的でした。

 

 

 

 

時は移り、いつかの夏巡業の時のお話しです。

 

私はこれまで

 

・その時たまたま仲良くなったお客さん

OR

・一緒に巡業に出かけてくださる友人さま

 

にお願いして、どなたかにお声掛けしてもらう、

ということをしていたのですが(超ビビりすぎて)、

この時は初めて自力で晃之助さんを呼び止めることに成功したのでした。

超緊張しつつ、ホッ

 

裁きを終えられ支度部屋に向かう、お客さんの波が少なくなる一瞬――…

 

「晃之助さん、お写真お願いしてもよろしいでしょうか?」

 

的なことをおずおずと尋ねると、晃之助さんはピタッと足を止め、

本当に「ピタッ」と止まってくださる。

「いいですよ」と、とっても感じよく対応して下さいました。

 

しかも。

 

晃之助さんは通路の流れから、そっと逸れ、スタスタと歩みを進められる…。

???(晃之助さん、どこ行かはるの…?)と、ポカンとするワタシ。

 

この会場は通路の向かいに中庭があり(綺麗に手入れされた木々や池があった)、

晃之助さんは本当に自然に、ガラス越しの庭園前に立ってくださったのでした。

「背景まで考えて下さるなんて、なんって素敵な心遣いの方なんだ――っ!!」と

感動しまくったのを覚えています。すごい。優しい。思いやり…知らんけど…

 

しかし。

 

真夏のカンカン照りの太陽が空の真上に。

カメラを向けさせていただいた瞬間、素晴らしい庭園を背景に、

晃之助さんのお姿は真っ黒の逆光に閉ざされてしまったのでした。泣

 

晃之助さんのお心遣いに感謝しつつ、迷いつつ…

 

「あの…逆光で…」

 

と、またもやしどろもどろにお伝えすると、晃之助さんは

 

「そうですか」との言葉と一緒に、ふっと相好を崩されて、

 

すかざず場所を移動してくださいました。本当にゴメンナサイ…

 

 

 

 

この…

 

 

 

 

 

第3倉庫に。ホントに…倉庫前で、ゴメンナサイ。

 

前回の第五十二代装束時とは違い、

三役格行司に昇進された後なので、

菊綴と軍配房が紅白→朱色に代わっています。

装束は柔らかな薄桃と、それによく似合う撫子?の紋でしょうか。撫子なんて、粋ですね。

そして秀衡塗。

 

最後に、やっぱり微笑みを浮かべて下さったのがとっても嬉しかった一枚でした。

 

 

 

 

 

 

もうひとつ。

 

 

 

綴りたい大切な想いがあるのですが、

今日中にアップしたいのでいったん一区切りしたいと思います。

 

晃之助さん、素敵な素敵な思い出をありがとうございます。

 

良き一年となりますように。

 

ささやかでちっぽけな、いちファンの祈りです。