ライラの冒険シリーズ
家には昔からあったけものの、放置されていたこちらの本を読んでみました。
ライラの冒険シリーズは「黄金の羅針盤」「神秘の短剣」「琥珀の望遠鏡」の3部作です。1部の「黄金の羅針盤」は2007年映画化もされてます。
第1部は自分の魂の分身のような存在であるダイモンが、動物の形で常に人間と行動を共にする世界が舞台です。
そのダイモンに関する実験のため、子供が攫われる事件が発生。
子供たちを助けるため、主人公ライラが魔女やクマの王と共に戦うという感じの王道ファンタジーです。
ナルニアみたいな感じなのかな、と思ってましたが
映画を観てはいないのですが、主人公がクマといる姿がナルニアのライオンといる姿と勝手に重ねていました。
そんな王道ファンタジーの第1部から売って変わり、第2・3部の「神秘の短剣」と「琥珀の望遠鏡」になるとパラレルワールドが存在し、別世界(おそらく現在我々のいる世界)の少年ウィルが登場したりと新しい展開になります。
パラレルワールドは最近流行ってますね。
そして物語はパラレルワールドに加え、教会の権威・創造主を語る者を否定し戦うというように突然スケールがバカでかい方向に向かっていきます。
ライラはライアー(嘘つき)とかけていたり、宗教色が強くミルトンの「失楽園」や「聖書」に疎いわたしのような人間には難解な部分もあったりと、あれほんとうに児童文学?と思うシーンもちらほら現れる作品です。
この小説の中ではたくさんの人たちが亡くなります。
それぞれの最期にその人の生き様が反映するような描き方がされています。
思い入れのある登場人物の最期のシーンはじんわりとしてしまうものも…
孤独だったライラとウィルは、旅をしていくうちにお互い惹かれ合っていきます。
しかしもともと別世界の住人であるため、二人は最後どのような選択をするのか…
「あたしたちは、この世の人生より天国が重要だなんて思って生きちゃいけないの。あたしたちがいまいるところが、いちばん重要な場所だから」
終盤のこの言葉には、ライラのこれからの決意が伺えます。
いろいろ盛りだくさんなこちらの作品。
パラレルワールドの中では、車輪で移動する動物(人間?)ミュレファが出てくる世界が個人的に好きでした
かわいい動物が出てくる物語かな、なんて気分で読むと突然平手打ちを喰らったような気分になる本作品ですが、お時間があれば是非