タイの洞窟に閉じ込められた十二人の子供と、一人の若者。
一報を聞いてから、ずっと心配していた。
それが先日、無事に見つかって、
なんという快挙と、感心していたのだが、
この事件が報道されてからずっと、
救出のためのケイブダイビングの話題がつきない。
私は、
20年くらい前だけれど、趣味でスキューバダイビングをしていた。
オープンウォーターという、一番下っ端のライセンスだったけれど、
10年間にわたり、世界中の海で、
200本以上(途中から数えていない)のキャリアがある。
いろいろな海を潜ったから、
ケイブダイビングとは言わないけれど、
各地のファンダイビングのポイントとして、
洞窟や、穴巡りはたくさん経験した。
実は、
その頃のバディー(一緒に潜る相棒)には言わなかったけれど、
私は結構な狭所恐怖症である。
穴に入るのは、仕方がない、といった感じだった。
ほとんどのダイバーはなぜか穴好きである。
喜々として、狭かったり、広かったりする穴に一目散に向っていくのに、
なかなか、嫌とは言えなかった。
穴の水深は、15メートルから30メートルくらい。
穴を出るまでは、ただ前進あるのみである。
逃げ道は無いし、もともと引き返すことなどできない。
何本も経験するうちに、徐々に慣れたけれども、
最初のうちは、心臓がばくばくして、
空気の残量を示す針が、目に見えて減るような気がした。
濁った海も経験がある。
酷い赤潮だったけれど、
底は何とか見えるだろうと潜ってみたが、
底に付いても、全く何も見えない。
自分の指先さえ見えなかった。
見えないからといって、
呼吸ができない訳ではないが、
人間、何も見えない水の中の環境では、
じっとしていられない程の恐怖感がある。
狭所恐怖と同じような感覚だと思う。
そういった訳で、
このニュースを見るたびに、
経験の無い子供に、
ケイブダイビングをさせることだけは、
何とか回避できないだろうか、と気を揉んでいる。
私の思いなど、何の役にもたたないが、
もともと「恐怖」という言葉を辞書に持たないエキスパートは、
子供を過信するのではないかとも思う。
穴でパニックになったら、もう誰も何もできない。
何とか、他の良い方法が見つからないものだろうか。