夜郎自大。
耀哉を、常軌を逸している、としか評価出来ない、無惨の限界。
心の奥は、真っ黒というより、ドロドロした熔岩の様な、今にも噴火しそうな、活火山の様な想いを抱いていて、そんな千年分の想いを体現した存在と捉えていたら、果たして、その前に現れようと考えたやろか。
大陸の皇帝は、背く者の一族、時には郎党も、皆殺しにしたり。
その良し悪しはともかく、良しは無いと思うけど、そこまでして、禍根を絶とうとする。
そうやなく、産み出した鬼共々、食べ散らかして、千年、禍根を積み重ねたら、そんな存在も生まれるわな。共感出来へんから、自分に似た境遇は煽れても、喰われた家族の想いは分からへん。
無限城に引きずり込む前提で、自身が出向いたんやろけど、引きずり込むべき柱を確認出来ず、呆気に取られる中、狙い通りの罠に掛かる。その後、柱と鬼殺隊を大勢、無限城に引きずり込んでるけど、罠による影響を把握しないまま、決戦を始める辺り、無惨、将棋弱し。あの場は、自分だけ、珠世を攫って逃げた方が、安全やったやろに。
耀哉とあまねからすれば、子ども達の未来を考えると、命に代えてでも倒さねばならず、それでも、子ども達全員を無事に守りきれるか分からへん。その事を、子ども達と話し合って、一人でも多く、生き残る為にどうすべきか、考えたんやない。子ども達の、お互いを思い、守りたいと思う気持ちがあったからこそ、無惨の油断を招き、罠が成ったんやと思う。
歴代の当主は、護衛をつけなかった、という話があったから、子ども達と罠の順番は逆で、罠が先にあって、一人でも生かすために子ども達を産み、いざという時の備えを話し合ってた、と考えた方が自然かなぁ。
備えとしての罠やったけど、鬼を人間化する薬が出来たことを珠世から聞き、倒す為の罠として見直し、無惨に屋敷の場所が伝わる様にしたのかも。無惨も元々、罠と考えていたけど、護衛もおらず、子ども達までいて、罠では無いと錯覚させられた。偶々、無惨に知られたというより、無惨に知られる様にしたから、来る事自体は明白で、いつ来るか、という点のみ、天性の勘で感じ取った、いや、感じとれなくても対応出来る様に、日課としてたんやないか。勘は、あくまで裏付けで、それに頼らない事こそが、産屋敷家の強さやないか。
火薬だって湿気るし、いざという時に不発とならない様に、点検、交換も念入りに行なったはず。
鬼滅隊が日々、命を削って戦う中、その日、その時の為に、準備を怠らない。覚悟の程は、変わらへんのやろな。
というような事を書きたくなる物語を、描いた吾峠先生の手のひらで踊る。