実は今年のGW中、白老へ行ってきました。

1泊2日、自身初めての白老訪問です。

 

家系調査の行き詰まりを感じていた今年の初め頃、思い切って白老の観光協会へお問い合わせメールを送ったのがきっかけです。

白老に相木がいるというのは、ネット記事でも見ていましたし、親戚の叔母からも「白老の相木には世話になったことがあると聞いている」と聞かされたので。

 

観光協会に家系調査していますとのメールを送る自体あまりよろしくないと思ったのですが、白老の観光協会の方にはとても良くしていただき、仙台藩白老元陣屋資料館の武永館長が相木家について知っていると教えてもらいました。

その結果、武永館長とメールや電話のやり取りをし、4月16日~5月8日の間で相木久紀さんの展示を行うとの連絡を頂き、GWにも期間が被るのでそれなら…と。飛行機のチケット予約をポチり。

 

コロナ禍なので色々と心配事はあったが、こんなチャンス滅多にあることじゃない。

良いタイミングでワクチン接種の3回目も完了できた。

 

 

そして訪問前に武永館長とメールで連絡を取ると、相木久紀さんにも会えることに。

これはありがたい。そして楽しみな当日へ。

 

 

生憎、GW中は雨続きだったのだが、白老に到着したこの日は快晴。

 

 

お昼前に到着する便だったので、時間的余裕○

折角なので白老駅から社台まで歩いて移動。

途中で白老牛のハンバーグを食べたり、白老ファームの放牧中の馬を見たりしながら目的地へ。

 

ようやく暖かくなってきた5月初め、新緑と樽前山の色が柔らかく鮮やかで、晴れて良かったと改めて思った。

 

…と、その前に。

約束の時間まで少々あったので、先に旧社台小学校へ。

 

ここへは、これを見に来た。

 

草刈運太郎墓碑。

何故これを見に来たかと言うと、解説にある通り相木が関わっているためである。

『相木林蔵』

白老に相木が居るとネットで知ったのは、この名前を見たからだ。

これから会いに行く相木久紀さんの曽祖父でもある。

 

 

ここいらで時間も程よくなってきたので、相木久紀さんの家へ向かう。

 

 

 

久紀さんの家には馬が居た。道産子…北海道和種馬らしい。

この3頭以外にも放牧地に5頭程居た。最高齢は30歳とか。人間だと80歳くらいかな?

興味津々、懐っこい。

 

 

昔は100頭以上の馬を飼っていたとか。

今は耕作放棄地を馬で手入れしているという話を聞いて、北海道大学の静内研究牧場で行っているアグロフォレストリーを思い出したのはここだけの話。

(個人的にこの取り組みは画期的だと思う)

 

 

久紀さんに通された小屋には、彫り物が沢山あった。

すべて久紀さんが彫ったもので、これらはインスピレーションのままに彫るとのこと。

 

昔は木彫り熊を彫って稼いでいて、彫師の中でも久紀さんは品を一等早く仕上げていたらしい。

久紀さん曰く「何個でも彫ってれば手は慣れる。慣れてくれば早くなる。早くなればその分彫れるから数ができるし、お金になる」

なるほど、道理。しかし、その道理を貫けるかどうかと言うのはまた別であって、この時点で凄いなと思ったのが正直なところ。

 

また、久紀さんから「昔、ここの相木の家に相木一馬って言う人が訪ねてきたことがある。その後に落部の相木一馬の家で良くしてもらったことも覚えてる。」と言われたので「その相木一馬はわたしの曽祖父です。わたしはその一馬のひ孫になります。」と言ったら驚かれた。

これについてはただの偶然な話なのだが、落部の相木家で『馬』の字が付くのはこの「相木一馬」ただ一人。その相木一馬が、遠い親族である白老の相木家を訪れていたお陰で、今現代でも縁が切れずこうやって同じ人物について話している。馬産地、白老社台で。

 

そう思うと中々に面白い縁であるな、と今更ながら思う。

 

 

そうやって、相木久紀さん自身のお話や、白老社台での相木家の話や、昔の相木氏の話など色々話し、聞いた。

 

この御駐蹕之趾など、白老ファームや社台牧場の周りを久紀さんが車で案内してくれ、馬の話も色々と聞けた。

 

社台牧場の周りをドライブしている際には競走馬の話も聞け、テンポイントの話も聞いた。母母であるクモワカが殺処分を逃れ吉田牧場に来た話。

これについてはnetkeibaがわかりやすく記事にしているので、こちらを見るといいかも。

 

 

流石に龍飛岬から戸井の方まで筏で人と馬を流すのは本当か!?とも思ったが、函館の方に相木の馬拾いをしたことが記載されている古文書があるらしい。

筏については距離や季節、津軽海峡の潮の流れなんかも考慮して考える必要がありそうだ。

海に関してのことは父親に聞いてみよう。落部の相木は昔からずっと漁師なので海についてなら分かることはあるはず。

 

 

こうやって色々やっていたら、時間なんてあっと言う間。
チェックインの時間もありますしと、久紀さんと奥さんへお礼を言って本日の宿泊先へ行こうとしたらお土産をくれました。

 

 

木像と鹿の角で出来た馬の彫り物。

 

様々な情報頂けてそれだけで最高だったのに、こんな物まで頂いて良いんですか!!?

更には宿泊先まで車で送ってもらい、もう感謝しかない1日でした。

 

 

 

宿泊したのは『haku hostel & cafe bar』

古い旅館をリノベーションされた施設で、建物全体的にキレイだが昔の面影みたいなのもあってほっこり落ち着く。

シャワールームやランドリー他、共用キッチンもあり、設備は新しいものが多いので快適そのもの。

 

素泊まりだが、隣接のカフェバーで食事ができる。

宿の近隣にもコンビニや飲食店もあるし、無問題。

バーで出てきたビールは北海道のクラフトビール8種。

普段から朝が軽めなので丁度いいボリュームの朝食。

大満足で宿を出る。

 

 

 

2日目は仙台藩白老元陣屋資料館へ。

駅前からタクシーでGO!

 

目的としては企画展なんだけれど、こういうところは常設展も見なきゃね。

博物館や資料館は常設だからこそ力入ってたりするんだよね。

 

常設展は仙台藩白老元陣屋資料館友の会の会長さんが解説してくれました。

各資料の説明を聞き、疑問な部分についての質問ができる&解説が返ってくると言うのは、非常に贅沢。いい経験です。

 

そして企画展。

 

馬の駄付けに関する絵や鞍、馬飼いのあれこれ、メノコマキリに木彫り熊…etc

久紀さんがやってきたことがギュッと詰められているような空間。

 

『相木 その家譜と蝦夷地』という、初めて見た資料はその場で読みふけってしまった。

ありがたいことに、武永館長が相木家や仙台藩元陣屋に関する資料をコピーしてまとめており、その貴重な資料をいただくことが出来ました。

 

その後は武永真館長と、偶々資料館にいらしていた苫小牧のローカルメディア「ひらく」の編集者 山田香織さんも交え、色々とお話し。駅逓の話とか、イザベラ・バードの話とか。

その際にちょろっと出た話。イザベラ・バードの日本紀行で白老の馬調教について書かれている部分。血が出るまで馬を叩いて調教するといったような記述があるのだが、もしかしたらその調教を行っている人物は相木林蔵だったのかも…となったのは面白かった。

実際イザベラ・バードが白老を訪ねている年と相木林蔵が生きている年は重なっているので、あり得たりする。

 

 

ある程度話し終わった後、鹽竈神社跡へ。

元陣屋のある白老を仙台藩に似せるため、鹽竈神社と愛宕神社を建てたそう。どちらもそれぞれ丘の上にあり、デスクワーカーには中々良い運動になったかな。

…流石に鹽竈神社に行った後、向こうの丘の上にある愛宕神社には行けなかったが。

 

史跡の中も実際に歩いた。

現在は建物が建っていた場所が分かるのみとなっている。

解説して頂いた友の会会長曰く「史跡内には元陣屋の建物が復元されていないが、それは建物の設計図や建物に使われた素材の資料が見つかっていないため復元できないから」とのこと。実際のものと違うものを復元とするのはおかしいからと。

ううむ、素晴らしいこだわり。

 

白老は丁度桜が散る頃で、元陣屋では桜吹雪が舞っていた。

その様は曇り空だったのが惜しいくらい、綺麗な散り方だった。

 

それから武永館長に案内してもらい、仙台藩藩士たちの墓所にお線香もあげさせてもらった。

 

他にも白老会所跡や、白老アイヌ民族記念広場で高橋医院跡地。

 

社台川上流にあるボラナイ沢の馬頭観世音にも案内してもらった。

このボラナイ沢の馬頭観世音がある場所だが、社台牧場の敷地内らしく関係者以外立入禁止の標識とロープが張られていた。

またこの場所は熊が多く出没するとのことで、1人じゃとてもじゃないが来られなかった場所だ。

 

この馬頭観音、昨日会った相木久紀さんの家が祀ったもの。

ここら辺は昔、相木が馬を放牧していた土地だそうで、その際にこの馬頭観音を置いたらしい。

しかし、最初に届いたのは馬頭観音ではなく聖観音像だったため、後ほどちゃんとした馬頭観音を置いたとのこと。聖観音像は明治10年頃、馬頭観音は刻まれている通りなら昭和28年のものになる。

 

 

ここまで武永館長が車で案内をしてくれ、白老駅まで送ってくれました。

いや…本当に、皆さん優しい。

初めての白老で知らなかった歴史を知るドキドキと、人のあたたかさを感じ、GW最高の思い出になった。

 

 

最後に新千歳空港内で食事。

折角だし北海道らしいものをと…いいねぇ、このメニューたち。北海道感あるわぁ。

豚丼定食&ニシンのなめろう。

 

 

朝7時の便に乗り、次の日の夜8時の便で帰るという、ちょっと強行軍なスケジュールだったが行けてよかった。

次に白老行く際は、連泊できるように日程調整しなきゃ。

 

※北海道に帰るのに実家に帰らないの、今回が初めてだったかもしれない(笑)