【世の中を動かす“プロ”】「戦争広告代理店」高木徹
これはすごすぎ。今出会えてよかった。
内容(「BOOK」データベースより)
「情報を制する国が勝つ」とはどういうことか―。世界中に衝撃を与え、セルビア非難に向かわせた「民族浄化」報道は、実はアメリカの凄腕PRマンの情報操 作によるものだった。国際世論をつくり、誘導する情報戦の実態を圧倒的迫力で描き、講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞をW受賞した傑作。
正直、ちょっと衝撃的すぎます。
今の僕がこの作品に対して、感想を述べるにはあまりにも世界を知らなさすぎる。
しかし、僕が今まで学んだこと。
「ドキュメント」さらにはメディアの読み解き方は、千差万別。
作り手にも、受け手にもそれぞれ固有の“真実”がある。
ということ。
メディアを媒介している、すなわち情報を取捨選択する“編集作業”が行われている限りそこには作り手の主観が介入せざるを得ない。そして受け手にもそれぞれの主観があり、そこに唯一無二の読み解き方など存在し得ない。
ここでいう主観とは、すなわち“真実”。
ドキュメントは事実を素材にして、作者が自らの“真実”を作品として表現したもの。
なので僕はこの本をPRというモノを学ぶための、実例のひとつとして読みました。
これが、今自分にできる精一杯の読み解き方。
この作品はボスニア・ヘルツェゴビナ共和国外務大臣シライジッチが、自国の民族紛争にて国際世論を味方につけるためにアメリカ大手PR企業ルーダー・フィン社の凄腕PRマンであるジム・ハーフの手を借りることから幕を上げます。
結果ハーフの情報戦術によって、ボスニア=被害者、セルビア=加害者という図式が世界中に浸透することになります。
このハーフの「PRプロフェッショナル」っぷりが本当に凄い。
大きく、非常に大きく分けてですが注目した点は2点あります。
まず、徹底したリサーチ。これに尽きます。
“スポークスマン”としての外相シライジッチの強みやリスク。さらに会談相手国の利害や歴史、さらには会談相手その人の考えやバックボーン。“インフルエンサー”となるジャーナリストを個人ごとに分析。等々。
そして、そのような個人や状況に合わせた言葉づかいや演出。特にこの演出は細部にまで行き届いており、例えばインタビュアーの質問に返答する際の間の取り方や、最初に発言する言葉、キメ台詞などまさに徹頭徹尾。
そして、きめ細やかな気遣い。これまた仰天モノ。
プレスリリースひとつにしても、どのようにしたらメディアに取り上げられるか、さらにどう取り上げられるかを徹底追及。そのために強調するべきポイント、さらに書式や文字数まで。さらに会談後のジャーナリストへの礼状送付、相手に好印象を与えつつ行動を促すための文書の作りこみ等。まだまだ書ききれないほど気遣いが。
個人的にその中でも特に目からウロコだったのが、演説における言葉のチョイス。その基準のひとつというのがなんと「秒数」。これは取り上げるメディア側が、サウンドバイト(要人などの発言を、数秒間の長さに編集したもの)で使うのに最適化したという。
ハーフは作中で「百戦錬磨の経験から、どんな事態にも対応できるツール・ボックスを得た」のような発言をしています。これはまさしく膨大な情報や状況を最前線で、肌で感じることで得たマクロ/ミクロ視点なのでしょう。
上記は主にミクロ視点に特化した箇所を抽出しました。
逆に彼のマクロ視点の集大成として例に挙げられるのが、セルビア人の蛮行を例えた「民族浄化」というキャッチコピーです。
この情報戦争を制した決定打といっても過言ではない、バズワードとして世界中を駆け巡った言葉です。
アメリカの根源にある「民主主義」と「人権」という価値観。
アメリカ国民の琴線に触れる、絶対的な点を突いたキーワードとしての「民族浄化」。
第二次世界大戦時の忌まわしい記憶。
「ナチス」を“連想”させるキーワードとしての「民族浄化」。(直接は決して言及しないのが重要であった。)
ボスニアにおける惨状を一瞬で理解させるキーワードとしての「民族浄化」。
あまりにも象徴的なこの言葉が、実際には複雑な背景があるこの紛争を善悪二元論の構図として世界に浸透させる決定打となりました。ハーフのプロフェッショナルPRマンとしての仕事がこのキャッチコピーに凝縮されていると思います。
以上、PRマンとしてのジム・ハーフ氏のプロフェッショナルな仕事ぶりにフォーカスして記事にさせていただきました。
あまりにも拙い文章ではありますが、ただこの作品から得た衝撃をどうしても、どんなカタチでもいいから残したかったので、ブログ記事にさせていただきました。
この作品の内容が、100%の“事実”だとは思いません。
これは作者である高木徹氏のひとつの“真実”なのでしょう。それ以上でもそれ以下でもないはずです。
そしてこの作品から僕が今読み解ける真実は“PRの仕事”それ自体に偏ったモノです。今後さらに勉強を重ね、少しでも世界に対する見地を深め、また改めてこの作品を読み解きたいと思います。
<ただ今再生中>
無音で書いてました・・・。
っていうか、耳に入るかいっ!!
- ドキュメント 戦争広告代理店 (講談社文庫)/高木 徹
- ¥650
- Amazon.co.jp
内容(「BOOK」データベースより)
「情報を制する国が勝つ」とはどういうことか―。世界中に衝撃を与え、セルビア非難に向かわせた「民族浄化」報道は、実はアメリカの凄腕PRマンの情報操 作によるものだった。国際世論をつくり、誘導する情報戦の実態を圧倒的迫力で描き、講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞をW受賞した傑作。
正直、ちょっと衝撃的すぎます。
今の僕がこの作品に対して、感想を述べるにはあまりにも世界を知らなさすぎる。
しかし、僕が今まで学んだこと。
「ドキュメント」さらにはメディアの読み解き方は、千差万別。
作り手にも、受け手にもそれぞれ固有の“真実”がある。
ということ。
メディアを媒介している、すなわち情報を取捨選択する“編集作業”が行われている限りそこには作り手の主観が介入せざるを得ない。そして受け手にもそれぞれの主観があり、そこに唯一無二の読み解き方など存在し得ない。
ここでいう主観とは、すなわち“真実”。
ドキュメントは事実を素材にして、作者が自らの“真実”を作品として表現したもの。
なので僕はこの本をPRというモノを学ぶための、実例のひとつとして読みました。
これが、今自分にできる精一杯の読み解き方。
この作品はボスニア・ヘルツェゴビナ共和国外務大臣シライジッチが、自国の民族紛争にて国際世論を味方につけるためにアメリカ大手PR企業ルーダー・フィン社の凄腕PRマンであるジム・ハーフの手を借りることから幕を上げます。
結果ハーフの情報戦術によって、ボスニア=被害者、セルビア=加害者という図式が世界中に浸透することになります。
このハーフの「PRプロフェッショナル」っぷりが本当に凄い。
大きく、非常に大きく分けてですが注目した点は2点あります。
まず、徹底したリサーチ。これに尽きます。
“スポークスマン”としての外相シライジッチの強みやリスク。さらに会談相手国の利害や歴史、さらには会談相手その人の考えやバックボーン。“インフルエンサー”となるジャーナリストを個人ごとに分析。等々。
そして、そのような個人や状況に合わせた言葉づかいや演出。特にこの演出は細部にまで行き届いており、例えばインタビュアーの質問に返答する際の間の取り方や、最初に発言する言葉、キメ台詞などまさに徹頭徹尾。
そして、きめ細やかな気遣い。これまた仰天モノ。
プレスリリースひとつにしても、どのようにしたらメディアに取り上げられるか、さらにどう取り上げられるかを徹底追及。そのために強調するべきポイント、さらに書式や文字数まで。さらに会談後のジャーナリストへの礼状送付、相手に好印象を与えつつ行動を促すための文書の作りこみ等。まだまだ書ききれないほど気遣いが。
個人的にその中でも特に目からウロコだったのが、演説における言葉のチョイス。その基準のひとつというのがなんと「秒数」。これは取り上げるメディア側が、サウンドバイト(要人などの発言を、数秒間の長さに編集したもの)で使うのに最適化したという。
ハーフは作中で「百戦錬磨の経験から、どんな事態にも対応できるツール・ボックスを得た」のような発言をしています。これはまさしく膨大な情報や状況を最前線で、肌で感じることで得たマクロ/ミクロ視点なのでしょう。
上記は主にミクロ視点に特化した箇所を抽出しました。
逆に彼のマクロ視点の集大成として例に挙げられるのが、セルビア人の蛮行を例えた「民族浄化」というキャッチコピーです。
この情報戦争を制した決定打といっても過言ではない、バズワードとして世界中を駆け巡った言葉です。
アメリカの根源にある「民主主義」と「人権」という価値観。
アメリカ国民の琴線に触れる、絶対的な点を突いたキーワードとしての「民族浄化」。
第二次世界大戦時の忌まわしい記憶。
「ナチス」を“連想”させるキーワードとしての「民族浄化」。(直接は決して言及しないのが重要であった。)
ボスニアにおける惨状を一瞬で理解させるキーワードとしての「民族浄化」。
あまりにも象徴的なこの言葉が、実際には複雑な背景があるこの紛争を善悪二元論の構図として世界に浸透させる決定打となりました。ハーフのプロフェッショナルPRマンとしての仕事がこのキャッチコピーに凝縮されていると思います。
以上、PRマンとしてのジム・ハーフ氏のプロフェッショナルな仕事ぶりにフォーカスして記事にさせていただきました。
あまりにも拙い文章ではありますが、ただこの作品から得た衝撃をどうしても、どんなカタチでもいいから残したかったので、ブログ記事にさせていただきました。
この作品の内容が、100%の“事実”だとは思いません。
これは作者である高木徹氏のひとつの“真実”なのでしょう。それ以上でもそれ以下でもないはずです。
そしてこの作品から僕が今読み解ける真実は“PRの仕事”それ自体に偏ったモノです。今後さらに勉強を重ね、少しでも世界に対する見地を深め、また改めてこの作品を読み解きたいと思います。
<ただ今再生中>
無音で書いてました・・・。
っていうか、耳に入るかいっ!!