【きたるべきネクスト・ステージ】「サマーウォーズ」監督:細田守 | Nitlog

【きたるべきネクスト・ステージ】「サマーウォーズ」監督:細田守

ちょっとこれは、いろんな意味でヤバいというか、重要な作品です


「サマーウォーズ」監督:細田守


※以下、ちょっとだけネタバレあり





大きく分けて2つの軸で考えてみたいと思います


まず第一にこれは、もはや空想を描いた作品ではないということ。
さらにその内容は予想を超えて、予言の域に達しているそして同時に、警鐘を鳴らしている


おそらくこのような世界は、今後5年ほどできわめて近いカタチで実現されるのではないでしょうか。


この物語はOZ(オズ)という巨大なネットワークが、日常に定着している世界で進行していきます。

このOZという仮想空間は、コミュニケーションの場であり、ショッピングモールであり、そこで起業だってできる、もうひとつの世界として存在しています。ここではアバターはまさにもうひとりの自分なのです。


2009年現在でも、すでにこの片鱗(すでに片鱗というレベルでは全くないですが。。。)はあります。例えばセカンドライフがあり、Facebookがあり、Amazonがあり、そしてGoogleがあるのです


さらに、そ象徴とも言えるシステムとしてOpen ID が挙げられます
つまり究極的には、ひとつのアカウントで全てのサイトを利用できる環境になります

これこそ、ネットワークを「もうひとつの世界」として成立させる決め手になるのではないでしょうか。それを全世界で実現させたカタチである、作品上の「OZアカウント」はまさに固有のパスポートであり、免許証であり、保険証であり、戸籍でもある、まさにネットワーク上の自分の存在証明のようなモノです。


作中ではあるコンピューター・プログラムの暴走により、OZアカウントが奪われ、OZ全体のシステムが書き換えられるという大事件が世界を震撼させることになります。さらにその行為は「テロ」と表現されています。そりゃそうです。カーナビゲーションから医療データ、さらには軍事実験や人口衛星まで全てネットワーク上管理してるんですから。

もう一度言います。ネットワーク上での犯罪行為が「テロ」になるのですアカウントのはく奪は、個人を抹殺する行為にも当たるのです

そして、このような事件は現実に起こり得ます。今のハッキングやウイルスといったものが、テロ並の破壊力になるということですから。今だって、コンピューター・ウイルスが社会問題になることもあります。

簡単に言えば、ネットワーク上から現実世界をぶっ壊すコトが可能になるんです。これらとの「戦い」は、全世界にとって避けて通れない道になるのではないでしょうか。



第二に、この作品のメッセージ僕なりの解釈

全ては山下達郎の主題歌「僕らの夏の夢」の一小節に集約されるのではないでしょうか


「変わらないものもある」


不思議と、エンドロール中に頭に残ったフレーズです。そしてこのワンフレーズこそ、この作品の主題なのではないでしょうか

ネットワークが現実とリンクする、そしてもうひとつの世界として成立する。それは予想するべくもないと思います。そのようなパラダイム・シフトの中で変わらないものとは何か。簡単なことだと思います。


誰だって家族そろってご飯を食べたいし、好きな子と話せればうれしい。そんなようなことだと思います「絆」「つながり」という言葉が近いでしょうか。作中では田舎を舞台にそんな描写が温かく描かれています。



そんな「変わらないもの」を、忘れられないように伝えていくってこと
が大事なんだと思います


僕たちは、「デジタルネイティブ 」とも呼ばれる世代です。さらにその先、2つの世界を並行して生きることが当たり前になる「デジタルリビング」ともいうべき世代が次に現れます。(勝手に命名)それは例えば僕たちの子供くらいにあたるでしょうか。

僕たちは狭間の世代。時代の移り変わりを生み出す世代であり、それをリアルタイムで体験出来る世代です。

そんな僕たちは、今のうちに「変わらないものもある」ということを自覚し、次世代に伝えることができる最後の世代なのかもしれないとてつもなく大きな役割を担っているのかもしれない


確かにネットワークで人同士は繋がれるようになった。それも世界規模で。でも、それはあくまでコミュニケーションのひとつにすぎない。


テクノロジーは素晴らしいかもしれない。でも、全てじゃない。


アバター同士で手を繋いだって、人の温もりは感じられない


作中でおばあちゃんは黒電話で協力を促し、世界を救おうとしました


持つべき意識はオンライン/オフラインのいずれかに偏った二元論ではなく、人と人との「つながり」をどう紡いでいくかということ。そんなように僕はこの作品を見て感じました。



えーここまで約2000字というボリュームでお送りしました(笑)まとめきれない文章力をお許しください。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。そして、お疲れ様です(笑)


ちなみに本作はサイコーに甘酸っぱくて、感動できて、楽しめる作品でもあります。むしろそっちか!



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