流水の打 | 柳川昌弘先生直伝 二聖二天流柔術憲法 愛知稽古会の武ログ

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宮本武蔵が残した『五輪書』には空手にも通じる術理が多々、記されています。

今回は、その一例として流水の打を紹介します。

 

《流水の打といふ事》

流水の打といひて、敵相になりてせりあふ時、

敵、はやくひかん、はやくはづさん、

早く太刀をはりのけんとする時、

我身も心も大きになつて、

太刀を、我身のあとより、

いかほどもゆる/\と、

よどみのあるように、大きにつよくうつ事也。

此打、ならひ得ては、たしかにうちよきもの也。

敵の位を見分事、肝要也。

 

[現代語訳]

流水の打ちとは、敵と技倆が伯仲して競り合う時、敵が早く引こう、早く外そう、早く太刀をはねのけようと、焦りが生じたような場合、こちらは身も心も大きくゆったりと保ち、太刀はこの気持に従うが如く、非常にゆっくりと川の流れが渕に淀むように大きく強く打つことである。この打ち方を習得すれば確かに打ちやすいものである。この場合、敵の位置やその力量をよく知ることが肝要である。

 

[空手への応用]

スピードを殺した大きな技で悠然とした攻撃を、あくまでスムーズに躊躇することなく行うことである。流水の打と名付けているように、技のスピードをゆっくりとした速さとし、技も身体の動きも共に伸び伸びと大きく、まるでスロー再生の動画を観る如く攻撃することである。

「心も大きに」とは、悠然と落ち着いて伸び伸びとした気持ち、という意味である。武道の技は決して速ければよいのではない。

加速を要するのは技を極める瞬間だけと言ってもよい。

 

 

居着きのない大技を、やや遠間からゆっくりと出す必要があるので順突きが最も適している。

順突きをゆっくりとした速さで行うのは、腰の移動速度をゆっくりと一定の速さにすることであり、その間、手腕や足は腰に従うことである。


《参考》
『ヒクソン・グレイシーvs西良典』(バーリトゥード・ジャパン・オープン1994)で見せたヒクソンの動きは正に「流水の打」といえるでしょう。

 

 

 

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