「あなたは将棋を愛していますか!?どのくらい愛してますか!?」
将棋を覚えたのは小4の時。暇だった時にちょっと遊んだという程度。ただ、同級生、塾や学校の先生、近所の御爺ちゃんなど、強い相手が現れる度に、勝てる様になるまで勉強したり練習したりした。つっても別に、大した事はしなかった。詰将棋解いたりテレビの講座や対局観たり、誰かと指したりするだけ。
目標にした相手に大体勝てる様になったなと思ったらすぐやらなくなった。他の趣味も色々と有ったし。で、新たに勝てない人が現れると、また頑張った。
で結局、どうしても勝てない人がいて、とうとう諦めて指さなくなった。アマ五段って言ってた。
初段とか二段の人達には7~8割勝ってた。三段って言ってた人とは勝ったり負けたり。四段って言ってた人達には作戦によってはたまに勝てたりした。でも、その人には勝てなかった。
勉強とか経験とか色々あるんだろうけど、何て言うか、地力が違った。二段の人はまだ隙が有った。三段の人は上手で、殆ど隙が無いんだけど、それ程の力は感じなかった。四段の人達は勿論上手だし駒組みなんかも隙が無いし(多分定跡がちゃんと頭に入ってる)、その上で、何て言うか、皆、何かしらの武器を持っていた。受けが強いとか、捌きがうまいとか。四段で一番たくさん指した人は物凄い切れ味鋭くて、終盤までそれなりに戦っていても、最後の最後で必ず斬り伏せられるという感じだった。でも、四段の人達も、その人に勝ってるのは見た事が無かった。
勿論自分も一回も勝てなかった。攻めだろうが受けだろうが、もう一手一手の重みが違い過ぎて、全く歯が立たないという感じだった。それでも一番最後の対局だけは、物凄くいい勝負ができた。相雁木の右玉みたいな感じにして戦った。確か手数がそれ程長くない、一手一手が難しい将棋だった。いつもズタボロにされてたけど、その時は2枚の竜を作れてかなり迫れた。
いい所に手が伸びるというのはああいう感覚を言うんだろうか。それが出た気がした。これで勝てないならもう駄目だってくらい奮闘した。ちょっと口の悪い人だったけど、終わった後感想戦で、初めて指し手を褒められた。「この手は気が付かなかった。きつかった」と言われた。でも勝てなかった。
何が敗着だったのかは判らず仕舞いだった。持て得る力全てを振り絞ったつもりだったが結局ギリギリ一手負けだった。さすがに泣きそうになった。さすがに心が折れた。そして、その対局を境に将棋をやめた。
将棋の面白さや棋士のかっこ良さはちゃんと理解していたつもりだが、幾ら勝てなくて悔しいと言っても、負ける度にぼろぼろ涙を零したり、必死に猛勉強したりはしなかった。言うまでもないが、あの時泣けなかったのは、努力なんか全然してなかったから。つまり、もう悔しい思いはしたくないとか、将棋が嫌いになってやめたとかじゃなく、それなりにしか好きになれない自分に嫌気が差してやらなくなったって事なんだろう。
本当に将棋が愛せていたら良かったかなと思ったりもするが、所詮10歳スタートじゃ幾らやってもモノにはならなかった筈だし、さすがにそれで一生やってくんだなんて気にはならなかっただろう。それに、基本的に、将棋って頭の良い人が強いものだし。大学の団体戦みたいのも有名大学ばっかりだし、前にプロと公式戦戦ってたアマも東大生だって言ってたし。
所詮根性も無いし頭も悪い上、自分で判るくらい明らかに才能が無いのでもうどうしようもない。そう判っていて、しかも負けてばかりいたのに、何でそんなふうにだらだら続けていたのかと言えば、当時連載していた月下の棋士が好きだった。ただそれだけw 冒頭の台詞は、月下の棋士に登場する最年少天才棋士が、主人公に対して問い掛けたもの。
あんな一手はもう二度と絞り出せないし、あの頃の様な、有りっ丈の情熱を注ぎ込んだみたいな将棋を指す事は、今はもうできない。20年経っても忘れられない、あれが自身の、生涯最高の一局だったんだなと、最近になって不図思った。
AI相手に指す様になってから一年以上経ったが、人間とは一度も対戦していない。自分の将棋も世間の将棋も全然別物になっているだろうし、全く対応できないに決まっている。結果また惨めな思いをすると判っているので、馬鹿馬鹿しい事この上無い。
そして、もし今、あの頃の自分と戦ったとしたら、まず勝てないだろう。所詮ソフトやプロの真似事でしかなく、地力が違い過ぎる。知識は増えたので戦略的には有利に運べる部分が在るかもしれないにしても、閃きや読みの正確さが劣り、必ず力で負かされる筈。でも、いつか、昔の自分を超えたという確信を持てる、そんな時が来ると良いなと思う。
先日久々に、角換わりの、相早繰り銀の将棋を観たので、ちょっとやってみる事にした。どっちが先に仕掛けるのかがなかなか難しい気がする。かなり怖いが怯むと悪くなる事もあるので行くしかない。激しい将棋にしかならなそうに見えて、互いにちょっと仕掛けた後に急にじっくりした感じになったりもする。
早繰り銀の守りの薄さよ。居玉で戦う事すらある。こんなんで生きて行けるの?と思う時も有るが、左右どちらにも、場合によっては上方に逃げ出せるという利点は在る。家を持たないごろつきのヤサみたいなもんか。なので当然安定感は無い。その日暮らしとはまさにこの事。追い立てられたらとっとと逃げるしかない。
図は24手目、△5二玉と上がったところ。今回はこれで囲いは終わり。掘っ建て小屋くらいにはなってるし十分。どうせピヨ幸もいつも通りナメて薄い形で来るので返り討ちにしてやる方針。
25手目でもうやって来ました▲3五歩。堂々と△同歩とした。
28手目、△8六歩と早速反撃。継ぎ歩で攻めの拠点を作る予定。
此処までの所有時間は1分ちょい。作戦が決まってる為速い。いつもこれくらいで指したいが、相変わらず開始数手で1分くらい考えてる事もあるw 将棋はほんと何指していいか判らない。最近は特にやりたい戦型も無いし。
37手目、▲3四飛と更に攻勢に出て来た。これは黙ってるわけには行くまい。少々危険だが△3三桂と跳ねた。受けとも言えるかも知れないが、場合によってはちょっと攻めも見てるくらいの手。ソフトン曰く、△3三銀が最も安全らしい。
この手は少し考えた上、ちょっとスーパーに買い物に行ったので1時間くらいかかってる。43手目▲3五飛として来たところで44手目△3四歩。タダだが先手から▲3四歩と打たれるのを防いでいる。とは言え、別に打たれるのが嫌というわけでもなかった。飛車が五段目からどいてくれれば後々△6五桂と跳ね易いかなと思っただけ。歩切れになるのはちょっと不安だけど。
尚、前の局面から此処までは色々難しい変化が在った様だが、量が膨大なので省略。と言っても他の戦型に比べれば大した事無いんだろうな。
46手目、△8七銀。こんな手で大丈夫なのか?という感じだが、筋としてはプロがやっているのを観た事が在るので問題無いかなと思った。
自然な応手は▲7九金だろうが、▲同歩として来たのでこっちがかなり有利に。相変わらず引かないねえ幸は。
△6五桂と跳ねた手に対して普通に53手目▲6六銀としてきた。駒割りは銀歩と金の交換と、バランスが取れている。
此処で悪手が出てしまった。この対局では最初で最後。
54手目、△4九角。評価値が約1500溶けて互角程度に。つうか逆に、そんなに良かったの後手w
正解は△6九角。タダじゃん。▲同玉とされ角損&攻め駒竜と持ち駒金だけなのにかなり優勢らしい。確かに無い手ではなさそうだったからちょっと読んだけど、その後わけが判らなくなるくらい埋めまくられてとても良いとは思えなかったのでやめた。それやって+1500と言われても、指せない&指した後攻め切れないから全く意味無し。
対応は▲6九銀が正解らしいが本譜は▲4八金。
56手目、△7九金。タダじゃん。でもこれで決まってるよな。…と、思って打ったわけなんだが 普通に▲同玉とされ、意外になかなか攻め切れない。何となく行ける様に見えたけど気のせいだったのかなぁと首を傾げた。
図は3六にいた飛車の前に△3五歩と打った手に対し、▲4六飛と逃げられた局面。瞬間、ん?何か在りそうだな…と感じたが、自分の勘は全然あてにならないので無視。良い手は見当たらない。さすがに強引過ぎたか…もしかしたらこれもう悪くなってるのかも…などと思いつつも、夕飯の支度しながら手を考えた。
後でソフトで形勢判断見た時も、局面は駒損ながら後手僅かに有利。もし指してる途中でそれを見ていたとしたら、悪いわけではないからまあいいか、元々ずっとそんなもんだったのかな…と思うところだろうが…
家事から戻り、思い付きました。ソフト超えの奇手、66手目△5五銀。タダじゃん!
△3四歩から始まりほんとタダばっかりだな。だがさすがに先手はこれを取るわけにはいくまい、桂馬の方を取って来るだろうと予想した。此方は飛車を手に入れて攻めを繋ごうと思っていた。
ところで、月下の棋士に登場する、お気に入りの棋士の台詞に、「どっちを喰う、角か桂馬か!?前菜か!?デザートか!?」というものが在る。香車での角取りをくらったが構わずに更にタダのところに桂馬を跳ね、対応を間違えると勝負有りという場面を作り、対局相手にそう問いかけるのだ。かっこええ…。
この局面はそれに近いかも知れない。あえて桂馬の紐を外し、選択を迫る。どっちを食う?銀か?桂馬か??
本譜は▲同銀とデザートの方を食って来たので一気に勝勢。△5七桂成が詰めろとなり受けが難しい。「それを喰えばフィニッシュ!!」
ちなみに、この一つ前の局面、もう一度ソフトにかけてみると何事も無かったかの様に最善手△5五銀、後手優勢で草。さっきまでいい勝負言うてたやん。このPCもかなり限界近いな…。
評価値や候補を無視した話をすると、自分が普段こういう強手を指すと、大抵見落としが在って悪い手で終わるか、或いは既に攻めが切れる事が確定し敗勢になっている場合が多いが、10回に1回くらいこうして成功する。
決まった時は心地良いが、強い人から見ればそれを読んでこの局面を迎えた上での、至極凡庸な一手でしかないであろう事実が空しいところ。そしてこの類の手は、恐らく昔の自分なら殆ど時間を使わずに発見できていただろう。果たして俺は、今後奴を超える事ができるのだろうか…。
後は仕上げの作業。着実に追い詰め、75手目▲7八銀の時点で簡単な7手詰発生。本譜は次手△8八金で先手投了。以下▲同金△同歩成▲同銀△6八金▲同銀△同馬或いは同成桂まで。
ピヨ幸との相早繰り銀は大体いつもこんな感じ。無理くり攻めて行った上で攻め切れなければ投了、みたいな感じになって割とシンプル。攻められるのは嫌いなのでこういう展開は割と助かる。突撃してって相手の首取れないと判った途端自害。ねちねち揉み合ったりするより断然潔い。そういや子供の頃はそういう感じの将棋が多かったな…。
前述の通り、最善を続けると双方動けないままじりじりとした展開になり、非常に難解で、何やっていいか判らなくなり一手も指せなくなり非常に困る。日頃プロの先生方がやってる様なやつ。当方、すぐにミスって一気に負ける。
尚、早繰り銀に腰掛け銀で構えるのは飽きた。かとももが太地隊長の講座で言ってた通り、ぱや繰り銀にはちょき掛け銀で対抗が基本らしい。備えてみると成程絶対と言って良いくらい有利になる。それでもあれこれ足掻いて来て更に劣勢になってるピヨ幸意味不明。完全にナメられててむかつくので殆どやらなくなった。所詮弱ピヨなのか…ぴよ将棋ではピヨ幸ら三段以下は「下位」と位置付け・明記されてるし。人間だとせいぜい初段くらいの強さとみた。PCで四段以上のひよこと戦える様にならないかなぁ…。
棒銀はとてもじゃないけど覚え切れそうにないのでやめた。大体、あんなもん攻め切れるわけがない。かと言ってくらったら受け切れるわけがない。何て嫌な戦法なんだろうw
相変わらず相腰掛け銀で後手を持つのはきつい。ただ、最近は全然腰掛けて来なくなったので、たまに一手損角換わりにする事で受けの練習をしたりもしているが、やはり嫌いな展開なのですぐうんざりする。
将棋の嫌なところは、余程の実力差が無い限り一方的に勝ち切る事ができないという点。どれだけ優勢だろうが勝勢だろうが此方も或る程度攻められるので、それをしっかり受けないと途端に逆転して終わる。今回はうまく行ったが相変わらず終盤で読むのに疲れ、まあこんなもんかなという感じで指したところ大きな見落としが在ったり受け間違ったりして負ける事も多い。もっと体力必要かな。ちょっと筋トレするくらいじゃやっぱり効果無いか…昔の自分を超える為には色々大変だ…。
V2.2
N+Lv30 ピヨ幸(R1650)
N-プレイヤー
P1-KY-KE-GI-KI-OU-KI-GI-KE-KY
P2 * -HI * * * * * -KA *
P3-FU-FU-FU-FU-FU-FU-FU-FU-FU
P4 * * * * * * * * *
P5 * * * * * * * * *
P6 * * * * * * * * *
P7+FU+FU+FU+FU+FU+FU+FU+FU+FU
P8 * +KA * * * * * +HI *
P9+KY+KE+GI+KI+OU+KI+GI+KE+KY
P+
P-
+
+2726FU,T1
-8384FU,T1
+7776FU,T1
-8485FU,T1
+8877KA,T1
-4132KI,T1
+7968GI,T1
-3334FU,T1
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-2277UM,T1
+6877GI,T1
-3122GI,T1
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-2233GI,T1
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-7364GI,T20
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-5152OU,T1
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-2133KE,T5
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-8586FU,T1
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-8173KE,T654
+3435HI,T1
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+0088FU,T1
-8778TO,T32
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+7879OU,T1
-4967UM,T2
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-0087FU,T48
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-8788TO,T6
+9888KI,T1
-0035FU,T1529
+3646HI,T1
-6455GI,T1303
+6655GI,T1
-6557NK,T50
+0077GI,T1
-0087FU,T502
+8898KI,T1
-5748NK,T19
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+0078GI,T1
-0088KI,T27
%TORYO,T0











