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ひとりごと。

最初会ったのは、お父さんとお母さん。
4月中旬、物資を配達しているときに、
家の前で片づけをしている2人にあった。

もしよかったらボランティアを頼めますよ?

そう言うと、
けっこう前に日光のボランティアさんが20人くらいで来て
泥だしをしてくれたから、今はその後片付け程度だし大丈夫だよ~。
とのこと。

どこに住んでいるのか聞くと、
この家の2階。
このあたりは津波が2階部分まで押し寄せた。
このあたりは、自宅に戻っている人はほぼない。

そこに住んでいる。

近くの避難所で夕御飯をもらえるけど
昼間はここで片づけをしているそうだ。

ベランダには布団がほしてあったけれど
そればほしてあるのではなく、
すべて丸見えだから「眼隠し」らしい。

どんな風に生活しているのか
足りなくて困っているものがあれば届けようということで
一度、2階を見せてもらった。

おばあちゃんにトイレはどうしてるか聞くと、
ここであの発泡スチロールにしているよと、
別の部屋の隅におかれた発泡スチロールを指して教えてくれた。

また物資を持って訪ねたとき息子さんに会った。

「本当にありがとうございます。」

明るくてやさしい笑顔の人。

家の横の道沿いに、「BB掲示板」と書かれたホワイトボードがあるのだけど

それば大橋さんがおいた物だった。

Big Bridge(大橋)の略なんですよ、と笑いながら教えてくれた。
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「ボランティアの人が家の泥だしをしてくれて
 そしたら、自分も何か人のためにできることをしよう、と思えたんです。
 それで、情報を得ることができない人のためになれば・・・と

 情報を共有できる掲示板を作りました。」

大橋さんの言葉にすごく力をもらった気がした。
なんか、ささいなことだけれど
ボランティアの存在、
うちらがしたこと、
小さくてもどこかで誰かの光になって、
つながっていったらいいな・・・
そう思った。

帰る前にまた会いに行った。

玄関に大橋さんの連絡先が書かれたメモがあった。
物資でもらったユニクロヒートテックの入ってた袋。
それを逆さにして画鋲で板にとめ、
中にメモをいれて玄関に貼ってあった。
雨も入らないし、ジップがついてるから中身も入れ替えれる。

「これすごい!ナイスアイデアですね~」

「こんな状況でいると
人間、だんだんかしこくなってくるんですよ!」

たくましくて明るい笑顔に、本当にこちらが元気をもらう。

写真とらせてもらっていい?
って言うと、

フラッシュいらないねー、と頭をさわりながら満面の笑みでカメラの前にたってくれた。


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最近、そんな大橋さんから電話がきた。

両親の体を気遣って

また避難所にはいっていたけれど

仮設住宅が当選したとのこと。

そして、家のあった一帯は全て取り壊されることになったらしい。

大橋さんは最後にこう言ってた。

「今回、ボランティアの人に助けてもらったおかげで今があるんです。

 バイトも見つけることができ

 そのお金でオンボロだけど車も買うことができました。

 全て皆さんのお陰です。

 でも、どうやってお返しをしたらいいのかわかりません。

 何かしたいと思って

 まずはやれることをやろうと思って

 あの時、掲示板を作りました。

 でも、阪神淡路大震災のときも

 その他にもいろんな災害がありました。

 その時、自分は

 たくさんの人が亡くなってつらかったろうな

 助かった人に対しては命が助かってよかったな

 そんな風に、ただ思ってました。

 いつも他人事だと思ってたんだって

 今回、初めて気づいて反省しました。

 そんな自分をみなさんは助けてくれました。

 あのとき、何もしてやれなかった自分を助けてくれました。

 本当に感謝してもしきれません。

 そして申し訳なくて仕方がありません。」

そう言って、電話の向こうで言葉をつまらせた。