上海はすでに過当競争
上海は日本人にとってとてもなじみやすく良い町です。
私も好きです。
でも商売となったら、特に中国の経験がない日本企業が
新規進出するのはどうかな~?と思います。
思い浮かぶ上海に進出するメリットとデメリットを書きます。
メリット
・比較的優秀な人材が確保可能
(ただし、日本企業の新規進出の場合は
日本からサポートスタッフを連れてくる場合が多いので
短期的には影響ないかもしれませんね)
・資材や原材料が手に入りやすい
・中国の一番いい町に進出した(気分に浸れる)
・中国でもっとも消費力およびセンスのいい消費者への理解が深まる
デメリット
・各種のコスト高。特に家賃の人件費
-東京に迫る、もしくは超える高い家賃。
人件費は地方の約2倍近い。
・上海を知って中国を知ったと勘違する
-上海は中国を代表しない
まとめると、
1)一般的には、中国では大都市と中規模都市で
売上水準(例:「客単価」)が変わらない
2)従って、儲かるか儲からないかは
どれだけコストをコントロールできるかによる
3)特に箱ものビジネス、たとえば飲食業はいわゆる
FRL(フード・レント・レイバー)コスト比率が非常に高くなり
利益は出しにくい
私はこんな風に見ていますから上海に出ようとする、
特に飲食企業の方々には、
「儲ける気があるなら、
他地域をお考えになったらどうでしょうか。」
とはっきりと私の見方をお伝えします。
もちろん、例外もあります。たとえば、
「箱ものビジネスでない(たとえば通販とかマーケティング・
通信・IT、サービス・教育関係とか)」
「上海からブランドを発信したい」という場合です。
後は、百貨店等に出店して、
売上の何パーセントを家賃で支払う場合
(もちろんその比率が高すぎないことですが)は別ですね。
国民所得倍増計画
中国政府は先月から、
5年で国民の所得を倍増させる計画などを掲げた
所得格差是正策の草案を地方当局や国有企業の幹部に配り、
意見を求めているのだそうです。
この所得倍増計画は、
地方政府が各々定める最低賃金基準を
5年間で倍に引き上げるなどの手段で実現する予定で、
2011年から始まる第12次5カ年計画に
盛り込む方向とのことです。
5年で倍、ということは、
年間15%ずつ所得が上がる、ということですから、
消費者物価指数(CPI)はもちろん、
現在の経済成長率をも大幅に上回るものすごいペースです。
この計画が実現すれば、
2015年の中国の一人当たりの国内総生産(GDP)は、
現在の4,000ドルから8,000ドルに、
国全体のGDPは日本の倍、米国の2/3ぐらいになります。
更に、この草案の題名が所得格差是正策であったり、
実現の方法が最低賃金の引き上げであったり
することからも予想できるように、
所得の上がり方は全国民一律ではなく、
ブルジョワ階級や中産階級の人たちよりも、
プロレタリア階級の人たちの方が
所得の上がり方が平均値である年間15%よりも
更に大きくなりそうですので、
中国の食品、衣服など一般消費財のマーケットは、
2011年からの5年間で
飛躍的に拡大することが予想されます。
この中国の所得倍増計画、
モデルとなっているのは光栄なことに、
1960年に日本の池田内閣の下で策定された
国民所得倍増計画なのだそうです。
いつも思うのですが、
中国は成功例も失敗例も全て含めて、
実に良く日本の事例を研究しています。
但し、日本の国民所得倍増計画と違うところは、
日本の国民所得倍増計画が
輸出増進による外貨獲得を主要な手段として
国民所得=国民総生産(GNP)を倍増させる、
という方法を採ったのに対し、
中国版国民所得倍増計画は、
先に国民所得を強制的に引き上げることによって
国内消費を喚起して、経済構造を
人件費コストの低さを武器にした輸出主導から
国内消費を主力エンジンとする
内需主導へと転換させようとしているところです。
そして、この計画を打ち出す背景には、
最近、中国各地で相次いでいる
プロレタリア階級の人たちによる
賃上げ要求ストもあるようです。
中国共産党は国民の圧倒的多数を占める
プロレタリア階級の人たちの支持を集め、
国内情勢が安定することによって更に経済が成長し、
プロレタリア階級の人たちの収入が上がって、
中国共産党への支持が更に確固たるものになる、
というポジティブなスパイラルを
描こうとしているように見えます。
中国版国民所得倍増計画。
この計画は、私たち中国でビジネスをする者にとっても、
非常に大きなチャンスです。
所得倍増の5年間は、中国が
地球上に残された最大且つ最後の巨大マーケットとして
全世界の注目を浴びる5年間になるのではないか、
と私は思います。
